「生物はなぜ死ぬのか」

小林武彦「生物はなぜ死ぬのか」講談社現代新書

生物はなぜ死ぬのか

 毎朝、NHKの「おはよう日本」を見ている。ある朝、「すべての生物は、”死ぬため”に生まれてくる。私たちは次の世代のために死ななければならない」みたいなことを、にこにこしながらしゃべっている人が登場した。あまりに素敵な笑顔ですごいことを言っていたので、紹介されていたこの人の本を是非読みたいと思った。

 ”死ぬ”ことにとても恐怖を覚える人が多いらしいけれど、私は子どものころからずっと、それがよくわからなかった。人はいつか死ぬ。それは当たり前のことだし、その運命には絶対に逆らえない。だから、誰かが死んでしまったことをなぜそんなにも嘆き悲しまなければいけないのかよくわからなかったし、どうせ誰もがいつかは死ぬんだから、それに対してそんなにおびえることはないのではないかと思っていた。そんなふうに死をとらえていたので、親が死んでも悲しくないんじゃないかとずっと思っていた。実際に親が死んだときは、もちろん悲しかったし、それなりに泣いたりもしたけれど、やっぱり喪失感で何も手につかなくなるとか、悲しみに暮れるとか、そういうのはあんまりなかった。どちらかというと、死を嘆き悲しむあまり何も手につかなくなる状態に恐怖を感じていて、あらかじめ死をシミュレーションし続けることでショックを和らげようとしているのかもしれないと思う。それなりに年齢を重ねた今では、もうすぐ死ぬのか、いつ死んでもおかしくないなと思うことはあるけれど、”死”そのものが怖いというよりは、家の中がぐちゃぐちゃに散らかってるとか、見られたら恥ずかしいもろもろを死後に他人に見られることがめちゃくちゃ怖い。

 そんなわけで、にこにこしながら老化や死を肯定的に語る小林武彦先生に、「やっぱりそうだよね!」と共感を覚えて、本を注文した。

 

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「ははのれんあい」

窪美澄「ははのれんあい」

 諸事情で仕事に比較的余裕があったので、読書。

 

 窪美澄さんは、「ふがいない僕は空を見た」ぐらいからかな?

 「よるのふくらみ」「やめるときも、すこやかなるときも」を読んだ。結婚とか恋愛とか妊娠とかの間で悩む女性よりもむしろ、登場する若い高校生ぐらいの男の子に共感する、というか、惹かれることが多い。

 

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「十の輪をくぐる」

辻堂ゆめ「十の輪をくぐる」

十の輪をくぐる

 

 職場の人におすすめされたもう1冊。読まずに返すかなぁと思って開いてみたら、バレーボールの話で、しかも物語の舞台に大牟田とか荒尾が登場した。最近バレーボールにかかわるようになったし、九州の話ならということで、興味をひかれて読み切った。

 

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「満月珈琲店の星詠み」

望月麻衣「満月珈琲店の星詠み」(文春文庫)

 日時:2021年6月26日(日)

 

 またもや職場の人に持たされた本。その日は自分で1冊手に取り、あと2冊おすすめを持たされたのだが、”(物理的にも内容的にも)軽いやつ”と言ったら、これを持たされた。

 

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「お探し物は図書室まで」

青山美智子「お探し物は図書室まで」

 再び、職場の人におすすめされた本。隣の席の人が「あー、それ私もおすすめされて読んだー。まぁ面白かったけど」と言っていた。

 確かに、面白かった。

 

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「私をくいとめて」

綿矢りさ「私をくいとめて

 

 映画は見た。けど、なんだか納得いかなかった。
小説はユーモアにあふれ、とても面白かった。

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「流浪の月」

 2020年の本屋大賞らしい。新しい職場に、おすすめの本を強力に押し付けてくる人がいて、断り切れずに読む羽目になった。まぁ、自分からは手を出さなかっただろうし、面白かったからいいけど。

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「わたし、定時で帰ります」

 私はとにかく仕事が嫌いだ。できれば働きたくない。仕事で自己実現とか意味が分からない。そもそも私の夢は専業主婦もしくはパート主婦だったのに、気づけばがっつり仕事しかしてない独身女子だ。仕事嫌いなので、仕事がさばけず、定時で帰るなんて夢のまた夢。そういえば昔、友人に「そんなにできないのに、まじめにちゃんと一生懸命やろうとしちゃう人」って言われたことがあるなぁ…。
 しかし、毎日毎日だらだら働くだけの人生はもう嫌だ。数年前からなるべく仕事は引き受けない、もうちょっと効率よく働こうと、いろいろやらない方向にシフトしようと頑張った。頑張った結果、やる気のない人と認定されてしまったわけですが、まぁそれはいい。
 テレビドラマになってましたよね。見てませんでしたけど。定時で帰る人になるために、参考になるかもしれないので読むことにした。

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「君たちはどう生きるか」

漫画 君たちはどう生きるか

著 吉野源三郎

漫画 羽賀翔一

 出版されてすぐからずっと気になっていたのに、なかなか読むひまがなくて読めなかった本。原作書籍のほうも、昔から”必読書”みたいに紹介されているのをよく目にしていたが、読む機会がなかった。やっと手元に来たものの、放置したまま数週間が過ぎてしまっていた。何とか休暇の間に読んだ。

 

 これ、原作の出版はおよそ80年前の戦前。けれども、ここに書かれていることは現代でも決して色あせることなく、むしろ今こそ大切にしたいことがたくさん書いてあった。時代は変わっても変わらないことがたくさんあり、それが歴史や哲学や文学を学ぶことの一つの意義だと思う。実学や科学が重視される今、真に”豊かな”人生を送るために必要なことをもっと学ぶべきなのではないかと思う。 

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「文豪どうかしてる逸話集」

進士素丸「文豪どうかしてる逸話集」,KADOKAWA

文豪どうかしてる逸話集

 文豪たちの”どうかしてる”逸話を集めた本。twitterでいくつかのエピソードを見かけて爆笑し、読んでみた。太宰治、夏目漱石、尾崎紅葉&幸田露伴、谷崎潤一郎、菊池寛を中心に、それぞれの作家の交友関係に登場する作家たちの、冗談としか思えない”どうかしてる”エピソードが次々に語られる。面白おかしく書かれているけれど、作品や手紙など、ちゃんとした資料をもとに書かれているみたい。

 高校時代、暇な時間に国語便覧めくり、文学史のテストで満点目指して文豪の名前や作品名を必死に覚えたが、この人とこの人って同時代の人なんだーとか、この人とこの人は友達だったんだーとか、この人たちって歴史上の人物だと思ってたけど、つい最近の人たちじゃん…とか思う。今の高校生も、国語便覧に載っている作家はみんな歴史上の人物だと思ってるんだろなぁ…。まだ生きてる人も載ってるけど。

 あわせて、登場する作家の代表的な作品も紹介されているのだが、あんなに必死で作品名を覚えたのに、その作品をほとんど読んでないことに改めて気付き、めちゃくちゃ読みたくなっている。青空文庫にアップされている作品も多く、スマホやタブレットでも読めるんだけど、やっぱり紙で読みたい私は昭和の人間。

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