「レ・ミゼラブル」
2021年 ミュージカル「レ・ミゼラブル」
日時:2021年8月6日(金)17:00開演
会場:博多座
朝ドラ「エール」に、寡黙な馬具職人・岩城役で出演していた吉原光夫さん。元・劇団四季のミュージカル俳優ということで、「エール!コンサート」では、岩城さんの衣装で「ヨイトマケの歌」を披露し、圧倒的な存在感を見せつけられた。その吉原さんが、レミゼで博多座に来るというので、ぜひ観たい!
吉原さん一択で、行けそうな日を捜して申し込んだところ、この日しか当たらなかった…。博多座に行ってみたら、満員御礼の札がかかっていた。さすがレミゼ、超人気なんだな…。
私がミュージカルのレミゼを初めて見たのは、1997年ぐらい。バルジャン=山口祐一郎、ジャベール=川崎麻世を、帝国劇場で見たのではないかと思う。その後、2004年ぐらいに博多座でバルジャン=山口祐一郎、ジャベール=内野聖陽で観たと思う。それっきり。博多座にも何度も来ているけれど、2回見たし、そもそもミュージカルあんまり好きじゃないし、ということでスキップしていた。
映画版は、1998年のリーアム・ニーソン&ジェフリー・ラッシュ版と、2012年のヒュー・ジャックマン&ラッセル・クロウ版を見ている。特に、リーアム・ニーソン版はかなり何度も観たので、私の中でレミゼと言えばこの映画。あと、BBCドラマ版もNHKで放送されているときに観た。物語が濃密でとても見ごたえがあった。
<キャスト>
ジャン・バルジャン 吉原光夫
ジャベール 伊礼彼方
ファンティーヌ 二宮 愛
エポニーヌ 屋比久知奈
マリウス 三浦宏規
コゼット 敷村珠夕
テナルディエ 駒田 一
マダム・テナルディエ 樹里咲穂
アンジョルラス 小野田龍之介
冒頭シーン、私の頭の中では石切り場なのだけれど、船だった。そうそう、2012年の映画も海で、めっちゃ違和感を感じたのだった。そもそも映画版は、このミュージカルの新演出版がベースなんだよね。というわけで、新演出版は私の知っている旧演出版のレミゼとは全然違っていた。全然違っているけど、聞き覚えのある歌が次々に歌われる既視感。以前ミュージカル版を観たときからずっと思っているけれど、ミュージカル版はとにかく展開が早い。思った以上に歌だけ。せりふなし。映画版やドラマ版と比べると超高速で物語が進んでいき、怒涛の名曲オンパレードに、もう一幕終わったところでおなかいっぱい感が半端ない。
吉原光夫さんは、期待通り圧巻だった。大柄なところもジャン・バルジャンのイメージにぴったり。低音域の迫力もさながら、高音域も美しくて、かっこいいなぁと思いました。今まで私は、ジャン・バルジャンがコゼットを溺愛するのがちょっと理解できなくて、あと、娘のためにマリウスの命を救うのもちょっとよくわからなかったんだけど、吉原バルジャンはコゼットとの距離感が絶妙で、共感できました。
アンジョルラスがとてもいい。過去のミュージカルでも、私の中ではマリウスより圧倒的にアンジョルラスがいいと思った。たぶん、彼が撃たれるシーンだったと思うけど、「アンジョルラーーーーース!」と叫ぶせりふがめちゃくちゃ頭の中に残っている(新演出版でも小さく「アンジョルラース」って言ってましたね)。アンジョルラス=小野田さんは、一緒に観た友人が開演前にキャストを見て「この人一押しです!」とうきうきしてた人。彼が出てきて歌い始めた瞬間、「あの赤いベストの人は誰!?」と思った。歌も上手だし、背も高くて存在感がある。
エポニーヌが切ない。めちゃくちゃに切ない。今までなんだかんだ言ってファンティーヌやコゼットに意識が行ってしまっていたのだけれど、今回はエポニーヌにくぎ付け。屋比久さんは小柄でほっそりしていて、でもとても芯が強くて、一途にマリウスを思うからこそ、マリウスのために行動する。そんな彼女が歌う「オン・マイ・オウン」はものすごく切なくて泣けた。(ちなみに私の中ではこの歌は本田美奈子さんの歌)。
ラストの「民衆の歌」はちょっと物足りなかったなぁ…。
でも、やっぱりレミゼはいいですね。みんなが夢中になるのもわかる気がします。通い詰めるほどではないけど、数年に1回は観たいなぁと思いました。
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