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「新聞記者」

新聞記者

 日時:2020年3月21日(土)

 会場:イオンシネマ大野城

 

 3連休初日の夜、だらだらと過ごしながらスマホをいじってたら、イオンシネマで「新聞記者」をやってるらしいと分かった。上映時から話題になっていたものの見そびれたまま。今年度の映画賞をいくつか取っていて、みたいと思っていた。

 いろいろ考えたけど、わりと早起きできたので、イオンシネマ福岡の初回に行くことにする。自宅から車を飛ばして40分。10時ごろにイオンに到着。久しぶりだなーとワクワクしながら、のんびり店内を散策。いつも劇場入りするのが早すぎて、20分くらい延々と広告を見る羽目になるので、ぎりぎりに行こうと思ってうろうろしていたのだけれど、チケット売り場でチケットを買おうとしたところ「上映が始まっていますが買いますか?」という文字がディスプレイに現れた。え?…見ると、10時40分開始だと思っていたのは10時20分の間違いだった…私としたことが!なんてことだ!失意の中、どうしようと彷徨うが、どうしようもないので帰ることにする。しかし、このまま帰るのも口惜しい。大野城のイオンシネマは12時20分からだったな…ここからどのくらいかかるのかな…。調べてみたら間に合いそうだ。よっしゃ行ったれ!というわけで、イオンシネマ大野城へ。

 到着してとりあえずチケット売り場へ。えーと、イオンカードで300円引きって書いてあったな…しかしどうやってカード認識させるんだ?とまごまごしていたが、見るとチケット代はもれなく1100円と表示されていた。なぜ?なぜだかわからないけど、1100円。ラッキー。というわけで、やっと観られる~!

 

 実際のニュースを思わせる事件が次々に描かれる。

 折しも森友学園に関係する一連の事件が原因で自殺した近畿財務局職員の方の手記が週刊誌に掲載されたばかり。映画ではほぼその事件を思わせるエピソードが描かれる。高橋和也さん演じる自殺した官僚、その妻に西田尚美さん。ネット上でも記事のほぼ全文と、記事が書かれた経緯を読むことができたが、おそらく映画のエピソードは、ほぼ取材に基づいたものなのだろうと推察された。

 そう考えると、映画の物語には、現実ではニュースとして流されていないけど、マスコミがつかんでる事実が盛り込まれているのだろう思う。医学部認可のエピソードは、加計学園の問題がモデルに違いなく、そこに何らかの利権が動いているのは間違いないだろうし、裏で映画に描かれていたようなことが進んでいるとしても何ら不思議ではない。昨年、ダルカラの福島三部作を見た時にも、原発推進の裏には軍事利用のための原子力研究という目的もあったのだと感じた。自衛官の方から、ミサイルに使われているこの技術はあの家電製品に使われている技術と同じですとか、その技術はあの電機メーカーの技術ですとかも聞いたことがある。インターネットだってもともとは軍事利用のために開発されたものだ。この国を動かしている人の中には、戦争大好きな人たちがいるのだ。

 

 新聞やテレビではどこかで握りつぶされて流せない事実を、映画という”フィクション”のかたちで世の中に出す。 政権批判的なこの映画が作られて、公開されて、日本アカデミー賞とかを取っちゃっていることにも、現政権に批判的なそこそこ大きな力の後ろ盾を感じる。そういうものをうまく利用しながら自分の考えを広めていくというのは政治的だなと思う。

 

 主役の女性新聞記者を演じたのは、韓国人女優のシム・ウンギョンさん。少し不自然な日本語も、日本人の新聞記者を父と、韓国人の母との間に生まれ、アメリカで育ったという設定に。

 松坂桃李くんがすばらしい。以前はあまり好きな役者さんではなかったけれど、いろいろな役に挑戦して、見る見るうちに力をつけ、ここ数年の彼の活躍はほんとうにすごい。

 杉原の上司・田中哲司さんが怖い。

 吉岡の上司に北村有起哉さん。いい感じに年取ったなぁ…。

 

 今の世の中でマスメディアが果たす使命とは何なのか、

 私はどちらかといえばそこそこ安定した立場にいて、杉原のような立場に置かれたときに、自分の安定した地位を手放しても信念を貫き通すことができるだろうかと考える。就職試験の面接で「経験のある先輩が自分と違う考えを持っているとき、その先輩の指示に従うか。YESかNOの二択で答えてください。」と言われたことがある。その試験には落ちたのだが、正解はどっちだったのだろうと考える。いまだにわからない。

 ラストシーンのその後を思う。この映画で描かれていることが、吉岡のような新聞記者が杉原のような官僚に取材して分かった内容であるとしても、杉原のような官僚は自分の名前を出して新聞記事にすることを了解しなかったのかなと思う。だからこの取材の内容は、映画という形で世に出たのかなと思う。

 

 思っていることがうまく言葉にできないのだけれど。

 最近、新聞を読んだり、ニュースを見たり、テレビのドラマやいろんな番組を見ていると、作り手や書き手の考えが見えるような気がする。○○新聞はとか、どこそこのテレビ局は、とかひとくくりにして語られがちだけれど、記事を書いたり番組をつくったりしているのは確かにだれかで、その誰かはその人の信じるものに従って、自分がよいと思うことをたくさんの人に伝えようと一生懸命記事を書いたり番組をつくったりしているのだろうと思える。中には私と全く考えの違う人がつくったものもあるし、偉い人の指示に従って仕方なくゆがめられた形で世の中に送り出されてしまったものもあるような気がする。

 自分も一人のひととして自分の信念をもって何かを伝えていかなくてはいけないと思うし、何を伝えていくべきかをよく考えなくてはいけないし、伝えるための技術を持たなくてはいけないと思っている。

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