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「天保十二年のシェイクスピア」

絢爛豪華 祝祭音楽劇

「天保十二年のシェイクスピア」

  日時:2020年2月24日(月)12:30開演

  会場:日生劇場

 

 井上ひさしが、宝井琴凌の「天保水滸伝」とシェイクスピアの全作品をベースに描いた作品。

 2002年のいのうえひでのり演出版を観たはずだけれど、何一つ覚えてない。日生劇場で見たと思っていたけれど、赤坂ACTシアターだったらしい。そのくらい何にも覚えてない。

 

 思った以上にミュージカルだった。こんなにたくさん歌があったのか。宮川昭彬良さんの音楽もすごく良かった。あと、だいぶエロかった。まぁ、そもそもシェイクスピアも下ネタのオンパレードだしね。

 木場勝己さんが語り役。木場さん、シェイクスピアみたいだ。

 ちなみに私が初めて木場さんを見たのは日生劇場で、松本幸四郎(九代目)主演の「オセロー」。イアーゴー役だった。とても印象に残っている。

 

 高橋一生くんは、kokami@networkの「ハルシオン・デイズ」以来何度か舞台で観ていて、最近はドラマや映画に引っ張りだこの人気役者になっているけれど、今、舞台で高橋一生を観られて本当に良かった。

 三世次は、リチャード三世とイアーゴを足したような悪役。一生くんは、もののけ姫に出てくる木霊みたいに、ちょっと小首をかしげて上目遣いに見るのがとてもかわいらしく、悪役なのにあの表情を見せられると騙される。

 リチャード三世やジュリアス・シーザーを思わせる演説場面とかアンを口説く場面とか、「馬をよこせ」とかが絶妙に織り込まれていて、シェイクスピア観てきたからわかる場面も多かった。一生くんがシェイクスピアに出たら、リチャードをやったら、イアーゴをやったら、っていう美味しいところを全部一度に観られた。

 

 浦井健ちゃんが、歌って踊って、ちょっとお茶目、だけど断然かっこいい!私の一番好きな感じの浦井さんだった。殺陣もいいし、歌もいい。そしてエロい。さらにあの髪!あの着流し!健ちゃんの捨之介が観たい!

 

 女優さんたちはみんな歌がお上手。お光とおさちの二役を演じる唯月ふうかさんは、全く違うふたりのキャラクターを、二人ともそれぞれとても魅力的に、しかも早替わりで演じていらして、素晴らしかった。

 お文=咲穂樹里さんは宝塚のご出身らしく、歌が力強くてかっこいい。

 お里=土井ケイトさんはさいたまネクストシアターの出身。色気があって、悪女からの献身的な女房がはまり役。

 

 演出もうまい。演出の藤田俊太郎さんは、蜷川幸雄さんの下で演出助手を務めていたそうだ。客席もうまく使って、お客さんを喜ばせる。

 

 シェイクスピア全37作品を盛り込んであるらしいけど、分からないのも多かった。

 「リア王」「リチャード3世」「マクベス」「オセロ」「ハムレット」「ロミオとジュリエット」「間違いの喜劇」「真夏の夜の夢」あたりの有名どころは分かったけど…。お冬は「冬物語」から?ベニスの商人は、「バッサーニオ!」って切り捨てるだけだったとか。歴史劇はほとんどわからなかった。「十二夜」はないって言ってたけど…。浦井くん演じるきじるしの王次が有名なハムレットの「to be or not to be」のせりふを、歴代の訳で言うのが好きだった。

 戯曲本で復習したくて探してみたけど、絶版なんですね。文教大学の先生と学生が、井上ひさし追悼企画としてこの作品に引用されているシェイクスピア作品を洗い出したという研究をまとめた書籍も手に入らないようでした。どっかにないかなー。

 

 こちらも千秋楽を待たずして公演中止に。予定されていた舞台収録は、公演中止になってから行われたようで、いわゆる無観客上演が映像化されるみたい。せっかくの客席を使った演出はどうなるんだろ…。

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