« 「ドレス・コード?展」 | トップページ | 「ロマンスドール」 »

「ラストレター」

ラストレター

 日時:20201月17日(金)

 会場:ユナイテッド・シネマ福岡ももち

 

 仕事を終わって時計を見たら19時前だった。。こんな時間に終わるのは珍しい。明日は休みだし、調べてみたら「ラストレター」にぎりぎり間に合いそうだった。よっしゃ!行くぞ!というわけで、ユナイテッド・シネマ福岡ももちに駆け込んだ。

 映画館はそこそこ混雑していて、隣では高校生カップルがいちゃいちゃしていた。前方には坊主頭の高校生がずらり。あとは私くらいの年代の方々が多そうだ。

 

 ものがたり 

 裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
 勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。
 ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――(公式サイトより)

 

 

 ザ・岩井俊二。

 全部の作品を見ているわけではないけれど、美しい映像、ロマンティックでファンタジックな物語に、胸がきゅんとする。“手紙”が重要なモチーフになっていて、否が応でも「ラブレター」を思い出す。

 正月に、実家の納戸に置きっぱなしにしていた段ボール箱を開けたら、小学校の時から大学生の頃にかけてもらった手紙が大量に出てきた。昨年の夏休みに処分したつもりだったのに、あれは大学生から就職した頃のもので、それ以前のものも度重なる引っ越しを潜り抜けて全部保管されていたことに唖然とした。手紙って怖いですね…それらの手紙はそのときがきれいに保管されている。「手紙は形に残るから絶対に嫌」と言った人がいたが、今や文書はデジタル化され、断捨離が流行り、公文書は処分され、紙ものはどんどん消えていく運命のようだ。けれど、歴史や文学の研究とかは人の日記とか手紙とか紙ものに頼っている部分が大きいという側面もあると思う。手紙や日記は黒歴史でもあるのだけれど、確かにその人が生きていた証でもあるなぁと思う。久しぶりに誰かに手紙を書きたい気持ちになりました。

 

 キャストが素晴らしい。

 松たか子さんはなぜか常に幸せいっぱいに微笑んでいる感じの女優さんではなくて、ちょっと何か満たされてなさそうな感じが、とても良かった。随所にコメディータッチな場面がちりばめられていて、松さんのコメディエンヌっぷりがいかんなく発揮されていた。お風呂の場面とか、2匹の犬を散歩させる場面とか、神社の場面とか、波止場先生の家に鏡史郎が訪ねてくる場面とかが好きだった。

 福山雅治さんは、ちょっとひなびた感じが福山らしくなく、下手するとイメージ違うんだけど、後半になると神木隆之介くんがそのままおとなになった感じがあって、役者やなぁと思った。

 神木隆之介くん、好き。かっこいいのにどことなくいけてない感がある高校時代の鏡史郎を好演。

 広瀬すずちゃんは抜群にかわいい。「学校のカイダン」の時から、このかわいらしさに目を奪われましたが、かわいいだけじゃない。その演技も素晴らしい。恐ろしい女優さんだ。

 森七菜さんは初めて認識しましたが、この子もすごい。特に、高校時代の裕里の、明るくふるまってはいるけれど高校生らしい、ちょっとずるくて切ない感じがとても良かった。

 中山美穂さんが登場した時は、思わず「出た~!」と思ってしまった。続けて豊川悦司まで登場するとは思っていなかったので、ちょっとご褒美感。頭の中で「拝啓、藤井樹さま」という台詞がぐるぐるした。「ラブレター」を見直したくなった。

 

 前半は松さん演じる裕里を中心に進んでいくのだけれど、後半になるにしたがって鏡史郎の物語になる。そのあたりから急激につまらなく感じた。

 ラストも正直ピンとこなかった。卒業式で卒業生が読み上げるものがどれほどのものかを知っている身としては、原稿用紙1枚で済むわけないやん…卒業式の前日に二人で体育館で読む練習とかありえんし…と思ってしまった。しかも最後に娘に残した手紙がこれか…って、拍子抜け。未咲さんにとっては、高校3年生で鏡史郎に出会って、彼に愛されていた頃が人生で一番幸せだったということなのだろうか。でも、自殺して娘に残したのがそれってどうなのかなぁ。いったい娘に何を伝えたかったのだろうか。

 この物語は監督の個人的な経験が元になっているということだ。私自身だいぶロマンチストなので、手紙のやりとりとか切ない片想いとか自信のない自分とかそれでも好きでいてくれる誰かの存在とかにきゅんとしながら見ていたのですが、どこかその世界にはまり切れなかったのもまた事実で、それはこの物語が結局鏡史郎に都合よく描かれてしまっている感じがあったように思えたからなのかもしれません。

|

« 「ドレス・コード?展」 | トップページ | 「ロマンスドール」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「ドレス・コード?展」 | トップページ | 「ロマンスドール」 »