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「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

ロック・ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

 日時:2019年9月12日(木)19:00開演

 会場:Zepp Fukuoka

 

 森山未來くん主演のヘドウィグから7年。月の美しい季節にまた、ヘドウィグがZepp Fukuokaにやってきた! 今回の主演は浦井健治さん!未來くん同様、新感線の舞台で恋に落ち、気づいたら完全に追っかけになってしまった浦井健治さん。イツァークにアヴちゃん。未來くん主演の「モテキ」でエンディングテーマを歌っていたバンド・女王蜂のボーカルの人だ。

 5時に職場を飛び出し、前回の反省を生かして、バスでマークイズへ。うちの最寄りのバス停から直行で行ける便が増えていて便利。ドライブイン鳥でご飯。

 さてZepp、とフードコートを出てドーム方面に向かうが、あれ?どこだ?入場を呼び掛ける声は聞こえてくるけど~と思ったら、フードコートのちょうど真下のフロアにあった。開演時間も近かったので、ドリンクコーナーでは結局ペットボトルのお茶をもらった。せっかくバスで来たのに…。

 

 バンドメンバーがステージに登場する。しきりに写真を撮れと煽ってくる。え?いいの?

 アヴちゃんも舞台に登場。黒っぽいTシャツ、ジャケット、スリムなジーンズ。ボーイッシュな衣装。華奢だなぁ…。かわいいなぁ。しゃべると意外と声が低い。え?まだ撮ってていいの?

 結局、1曲歌うところまでは前座ってことのようだった。あー、ビール飲めたなぁ…。まあ、飲むと眠くなっちゃうし、トイレにも行きたくなるからいいけど。

 アヴちゃんの前説があって、撮影OKタイムはおしまい。客席をあおって立たせると、ヘドウィグ登場!

 

 登場した浦井健ちゃんの、ゲテモノ感がすごかった。事前にゲネプロの写真等を目にしてわかってたけど、ポスターのビューティフルな健ちゃんはどこへ…なぜこの髪型?なぜこの衣装?

 今回、すごく前の方の席だったので、至近距離で観劇したのだけれど、マイクを通してしゃべる声も、超濃いメイクも、浦井さんっぽくなくて、本当にこの人は浦井健治か?と疑いたくなる。1曲目の「Tear me down」は、そもそも割とキーが低い曲なんだなと思った。健ちゃんっぽくない。

 

 観ているうちに、これは浦井健治演じるヘドウィグがボーカルを務めるバンド、ヘドィグ・アンド・アングリーインチがニューヨークのとあるライブハウスで開いているライブ、という設定で、そのライブのMCでヘドウィグが自分の半生を語る、という芝居なのだということがようやくわかった。前回は未來くんに夢中で、そんなことすらよくわかっていなかった。イツァークは一応ヘドウィグの今の恋人で、バンドのバックボーカル、という役。なので、ほとんどしゃべることはなく、もちろんバンドメンバーは基本的にしゃべらない。必然的にこの芝居はヘドウィグ演じる浦井健治の一人芝居に近い。ひとりでこの異世界を背負うわけだから、大変だ。

 

 駐留していたアメリカ軍兵士とドイツ人の母親の間に、東ドイツで生まれたハンセル。ある時、一人のアメリカ軍の兵士に見初められ、彼とともにアメリカに渡るために性転換手術を受ける。ところが、手術は失敗。股間に”アングリーインチ”と呼ばれるモノが残ってしまう。

 母からヘドウィグという名前とパスポートをもらってアメリカへ渡るも、結局男とは別れることに。その後ヘドウィグは、トミーと出会い、一緒に音楽活動を始めたが、トミーはある日ヘドウィグの股間に残るそれを見て、ヘドウィグのもとを去ってしまう。ひとりで音楽活動を続けたトミーは、有名になり、その日同じニューヨークの大きなホールでコンサートを行っていた。ヘドウィグがライブハウスのドアを開けると、トミーのライブの様子が聞こえる。

 

 未來くんのときは、ラストに「Midnight Radio」を歌ったのは、トミーだと思ったんだけど、今回、あれはトミーじゃなくてすべてを脱ぎ捨てて生身の姿になったヘドウィグだったのか、と思った。まぁ、失ったカタワレなんだからどっちでもいいのか。ここでやっと、あー浦井さんだぁーと思った。しかし、前回の「笑う男」の時にも思いましたが、浦井さん、ちょっと体を絞ったほうがいいと思います。大きくなりすぎです。

 脱ぎ捨てたウィッグをイツァークに押し付け、押し付けられたイツァークは美しいドラッグクイーンとして舞台に登場する。そもそもイツァークは、ヘドウィグが世界中をツアーで回る途中で出会ったユダヤ人のドラッグクイーンで、ヘドウィグにアメリカに連れて行ってほしいと頼み込んだらしい。ヘドウィグは「二度と女装しないこと」を条件に、イツァークを同行させたのだ。

 イツァークが終始不機嫌そうなのはなぜだろうなぁと思って見ていた。前回のイツァーク=後藤まりこさんも、だいたい不機嫌だった。ヘドウィグが悲惨な自分の半生を面白おかしくべらべらしゃべるから?ヘドウィグは自分を抑圧する存在だから?イツァークはトミーに嫉妬しているから?うーん、よくわからない。

 いずれにせよ、アヴちゃんはかわいかった。折れそうに細い体にボーイッシュな格好も美しかったけれど、女装するとそれはそれで美しい。見せ方をよく知っていらっしゃる。

 

 歌詞は、前回同様音がうるさくてあまり聞き取れなかったのだけれど、前回のスガシカオの訳詞のほうが良かったなという気がした。特に、「Wig in a box」は、前回ものすごく切なくて涙した曲だったので、思い入れがありすぎて今回全然乗れなかった。歌の歌詞として全体的に頭に入ってこなかったので、ミュージカルとしてはどうなのかなぁ…と。というか、この作品、ミュージカルとしても芝居としても中途半端すぎると思いました。

 

 カーテンコールで、浦井さんはいつもの浦井さんだった。王子さまベビーフェイスで、おちゃめ。センターを張れる役者なんだけど、共演者を立てるのが非常にうまい。心やさしい人なのだろうなぁと勝手に思っている。次の「ビッグフィッシュ」は福岡に来てくれないみたいなので、見られそうにないけど、またお会いできるのを楽しみにしています。

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