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「男女逆転版・痴人の愛」 

ペヤンヌマキ×安藤玉恵 生誕40周年記念ブス会*
リーディング『男女逆転版・痴人の愛』
 日時:2018年1月21日(日)17:00開演
 会場:久留米シティプラザ 和室「長盛」

 久留米シティプラザのはじめての演劇祭の一環で、ブス会*のリーディング公演があるという。安藤玉恵さんがいらっしゃる。観たいなー。
 チケットを買いそびれたまま、どうせ当日券あるやろ、と思っていた。開場時間に受付に行ったら「満席で当日券がお出しできるかどうかわかりません」ですと・・・。えええ?まさかと思っていたが、わざわざ久留米まで来たのに、そんなぁ…。
 果たして、開演3分前にかろうじて入れてもらえた。立ち見ですと言われていたけれど、最終的には座らせてもらえた。ありがとうございました・・・。

 「痴人の愛」は未読。谷崎潤一郎の文体がどうしても苦手で、「春琴抄」も、買ってはみたものの3ページで挫折。

 大学で美術を教える40歳・ヨウコの一人語り。
 バーで拾った15歳の美少年・ナオミと、「小鳥を飼うように」一緒に暮らし始める。 

 脚本・演出はペヤンヌマキさん。
 ペヤンヌさんが10台の頃に初めて読んだ「痴人の愛」を、40歳になって読み直し、共感できるところを抜き出して構成したものらしい。どこまで原作に忠実なのかは分からないけれど、一応現代に時代を移してあり、今っぽいセリフも随所に登場する。音楽専門学校に進学し、KO大学のサークルと一緒にライブを開くというナオミのために、ヨウコは東京三菱UFJ銀行でお金をおろしてメンズ伊勢丹へ衣装を買いに行くとか、ライブで演奏されたのはRADWIMPSの「前前前世」だったとか、ナオミが女と付き合っているらしいと知ると、ストーカーと化したヨウコは女のインスタグラムをチェックしてナオミの行動と一致させるとか。その一方で、会場となった和室の雰囲気からか、せりふの言い回しからか、何となく昭和の初めみたいな雰囲気も感じられた。

 安藤玉恵さん、かわいらしい。期待通り、とても素敵だった。
 くるくる変わる表情、声が多彩で、やはりとてもうまい役者さんなのだなと思った。
 リーディングは普通のお芝居よりも一瞬で場面が変わったりするから、一瞬で気持ちを切り替えなくてはいけないのが難しいとおっしゃっていた。いやはや、プロだなぁと思いました。
 ナオミ役の役者さんは、線の細い美少年。シャツを脱いだ時の背中も色っぽい。
 チェロの生演奏は、音の振動がダイレクトに体で感じられてとてもよかった。贅沢でした。

 個人的には、15歳は商品というかお客さんというか仕事道具というか…なので、家に持って帰りたいとか、全然共感できないんだけど、アフタートークでペヤンヌさんが、「この年になって少年愛に目覚めたんですよ…羽生君とか」と言ったとき、客席の同世代女性から「あぁ~…」というため息が漏れた。私も「あぁ~…」って言った。…まぁ、確かに。神木隆之介とか、神木隆之介とか…。

 ちょっと見てみたら、春琴抄よりは読みやすそうな感じだったので、ぜひ原作を読んで、どこがリーディングと違っているのかを確認したいと思います。

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