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「くれなずめ」

ゴジゲン「くれなずめ」
 日時:2017年11月11日(土)14:00開演
 会場:北九州芸術劇場小劇場

 初・ゴジゲン。前回の北九州公演は観ていない。
 

 ものがたり
 30歳男が6人。友人・青木の結婚式の余興の練習のために久しぶりに集まった。
 ウルフルズの「それが答えだ!」にあわせて踊るらしい。
 とりあえず練習しとく?と入ったカラオケボックス。練習そっちのけで飲んだり歌ったり。
 そんな中、マイクを握った吉尾が言う。
 「なぁ、俺死んでる?」

 ”吉尾は死んでいる”というネタバレ状態で、吉尾はそこにいる。が、お客さんは(たぶん)半信半疑。「吉尾は本当は死んでるの?」
 時間は戻り、18歳高校時代、21歳、24歳、25歳、28歳。
 装置のボードに貼られたシートをめくると現れる数字は、どうやらそこで演じられている場面当時の役者たちの年齢を表しているらしい。

 脚本がとてもいい。大切な人への、大切な気持ちを、丁寧に描いた秀作。きちんと会話が成立していて、会話でちゃんとものがたりの背景が見えてくるし、物語が転がっていく。時間軸の動かし方もうまい。

 ふざけてるけど、みんながどれだけ吉尾を慕っていたかがわかる。結婚式の2次会待ちの時間、路上のプランターを掘り返して、店の人に怒られた。その店の人が吉尾にそっくりで(涙)。仙台に行って、2011年の震災にあって、その後芝居を見に来てくれた。いつも一人で飲みに行ってる、さみしい奴だった。
 真面目な顔で本気のダンス。隅っこのカバンのほうに寄って行って、ばーっとはじけ飛ぶと、5人だったはずがいつの間にか6人になって、踊る。
 
 ソース(東迎昴史郎)が、吉尾の好きなひと・さえこと2役やるもの◎。ズボンの上にスカートはいてズラ。「Facebookとか、ブログのアカウント、消してよね。毎年今日は吉尾さんの誕生日ですって言われて、びっくりするんだから」(涙)
 
 どこまでかが実話で、どこからがフィクションなのかわからない。いや、そもそも全部フィクションかもしれないし、全部実話かもしれないし。”吉尾”は死んでないかもしれない。
 でも、ラストに吉尾を見送る松居さんと目次さんの表情があまりにも切なくて、やっぱり吉尾はもういないんだなと思った。生きてるのか、死んでるのかは分からないけど、たぶん”もういない”人。生きてれば、続けてれば、いろんな出会いや別れがある。
 全然知らなかったけど、ゴジゲンは3年間活動を休止していたらしい。今回出演した松居さんと目次さん以外の役者さんたちは、以前からゴジゲンの芝居に出演はしていたものの、ゴジゲンのメンバーではなく、今回正式にメンバーとなったらしい。個人的には、テアトル・ド・アナールで観た本折最強さとしさんとの再会にびっくり。目次さんはみんなのお兄さんですね。
 このメンバーで、今まで通りの、新しいゴジゲンになるのでしょう。また福岡でゴジゲンが見られるのを楽しみにしています。

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