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「リチャード三世」

「リチャード三世」
 日時:2017年11月3日(祝)15:00開演
 会場:森ノ宮ピロティホール

 佐々木蔵之介が外国人演出家で「リチャード三世」をやる!観たい!
 前回のひとりでマクベスもすばらしかった。
 

 ダイニングルームか、パーティー会場か。グラスを手にした男たちが、リズムに乗って全員がタテノリのダンス。
 アタッシュケースを持った小柄な女(渡辺美佐子)が静かに入ってくる。黒い服、白い大きな襟・・・シェイクスピア?

 冒頭のせりふを吐くリチャード(佐々木蔵之介)は、せむしでもびっこでもなく、色気のあるかっこいい男。アタッシュケースの中か ら赤い鼻とピエロのかつらをかぶっておどけてみせる。道化?周りの男たちはそんな彼を笑い、囃し立てる。

 ほぼオールメールのキャストで、女性も男性が演じる。
 口説きの場面では、手塚とおるさん=アンが、顔ちっちゃくてすらりとしていて美しかった。マイクを使用して、歯の浮くようなせりふを次々と繰り出すリチャード。
 拡声器やマイクが使われていたけれど、マイクを通すことで民衆にアピールしてる感じがした。
 兄ジョージは捕らえられ、ビニール袋をかぶせられて身動きできなくなる。
 植本純米(潤改メ)さんが坊主頭のままエリザベスを演じるのも面白い。しかし、坊主頭のおじさんなのに、この人はなんてかわいいんだ!
 壌晴彦さんの低い声も素敵。
 国王に指名される場面では、リチャードは民衆の前に姿を見せない。民衆からは見えず、客席からは見える場所でがつがつと豚のように飯を食らい、ワインをラッパ飲みする。こんな品のない男が、バッキンガムの口車でまんまと国王の座についてしまう。
 リチャードがついに国王に指名され、玉座に座るシーン。アンに黒い布をかぶせて自分のことが見えないようにし、玉座に欲情するかのように興奮するリチャード。玉座に座ると同時に自らビニール袋の中に入っていく。自ら、息苦しい王の座へとらわれていく。
 夢の場面はミュージカル仕立て。みんな歌が微妙なのが可笑しい。
 ラストシーン、リチャードは孤独な道化だったんだなぁと思う。リッチモンドは自分自身。自分自身の影におびえる、ちっちゃい男。権力争い/玉座の椅子取りゲームは男たちの悪ふざけ。座ってしまえば、後はいつその座を奪われるかに怯えるだけ。女性=シェイクスピアは静かにその様子を眺めている。

 もう何度も観た「リチャード三世」だけれど、新しい発見がたくさんある舞台だった。やっぱりシェイクスピアはおもしろい!

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