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「エンドレスサラヴァー’17」

あなピグモ捕獲団「エンドレスサラヴァー’17」
 日時:2017年9月30日(土)19:30開演
 会場:ぽんプラザホール

 あなピグモ捕獲団20周年記念公演第3弾は「エンドレスサラヴァー’17」。2010年、2013年に続く再々演。
 初演・再演とも観ています。

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 「エンドレスサラヴァー」
 「エンドレスサラヴァー’13」

 初演・再演ともこじんまりとした劇場だったけれど、ぽんプラザの舞台を広く使った舞台。三方が壁に囲まれていて、妻たちが登場する襖が数か所に。壁の下半分は本棚の模様の壁紙。下からLEDで照らされた柱が4本。中央に文机。
 

 ものがたりの大筋は変わっていなかったけれど、大幅な改訂再演。
 
 大倉寛之(貝谷聡)。18歳で華々しく文壇にデビューし、文学賞を総ナメにした気鋭の作家だが、創作に行き詰っているようだ。 
 編集者・荒木(中島荘太)はツイッターで噂の甘い甘い甘~いお菓子を手土産に、近くに来たついでと言いながらも大倉の執筆の様子を伺いにやって来る。
 普通の、顔も覚えてもらえない妻は、執筆の邪魔になる来訪者を全力で追い返したり、お茶の代わりに”シル”的なものを飲ませたりして大倉を支えている。
 いつしか見知らぬ若い男が書斎にいる。名前は純一郎(大竹謙作)。”あなたに傾倒する”書生だと名乗る。

 巨大スクリーンがガシャンとでかい音を立てて降ってきた!びっくり。脚本によるとあれは”ギロチン”らしい。

 たくさんいる妻たちも、編集者たちも、SNSを通じて大学に集まってきた人たちも、みんなみんな作家をこころから慕っていて、愛していて、期待している。作家の次回作を楽しみにしている。作家・大倉=純一郎は幸せだね。
 だけど、その期待に応えたい気持ちと、応えられないんじゃないか、実際応えられていないんじゃないかという不安と、一人創作に向き合う孤独がないまぜになって、大倉は書斎から大学のキャンパスへ、過去もしくはパラレルワールドへと迷い込んでいく。

 妻はそれぞれ個性的。妻たちの衣装は今回みんな同じデザインだったのかな?同じ衣装で没個性的。誰だ誰やら区別がつかなくなる感じで効果的。
 第5の嫁=福崎望さんがかわいい。声がかわいい。立ち姿は時にりりしい。
 第4の嫁=押渕絢子さんと未来の編集者・中村=松尾佳美さんが、時々区別がつかなくなる。押渕さん、安定してうまい。松尾さん、かわいい。再演でもあった恭子と純一郎の二人のシーンが好きでした。
 宇野さんは初演に引き続き小沢貴さんでしたが、トランスジェンダーになっていた。再演では立石義江さんが演じて切ない人になっていたけれど、今回は再演で感じた同志的な関係も感じられず、一人にしてとまで言われちゃうただの片想いすぎる人になってて、宇野さんは一層切なかった。

 全体的に、20年分のありがとうがあふれてた。役者さんに、スタッフさんに、お客さんに。こんなにも優しい舞台は今までなかったんじゃないか、というくらいに。
 初めてあなピグモ捕獲団を見たとき、わかってほしいけど絶対わかられたくないみたいな、稚拙だけれど目が離せないみたいなことを感じた。そんなちょっとひねくれた憎たらしい表現に取り憑かれてからおよそ20年。私は、表現者になることをあきらめた人間だけれど、だからこそ誰かの表現をきちんと受け止める人でありたいと思う。ずっと思っている。
 だから、いつだっていちばんわかりたい。でもぜんぜんわからない。わかってないって言われるのがいちばんくやしい。だからたぶん、また観に行っちゃうと思う。最後の最後まで見届けたいと思う。あの日、絶対に最後まで見届けると誓った。そう決めた自分を裏切ることが、自分にとって一番許せないことだから。
 
 いつもながらスタッフワークがすごい。過去の上演に比べてステージが広めで装置も立派。照明がっつり。カラフルなLEDライト、回るとは思わなかった。カシャカシャと音を立てていたスライドから動画になった映像も、気合が入ってた。 
 
 グッズ。
 前回作品の衣装端切れで作ったポーチがかわいい。ピンクのやつをゲット。
 DVD付きチケットを購入しましたが、ものすごいボリュームで面白いらしいDVDは、こころに余裕がなくまだ見れてない。観たいのに見られない。思い入れがありすぎちゃって。

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