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「切断」のち「同化」

「切断」のち「同化」 小林耕平×髙橋耕平
 日時:2017年8月7日(月)
 会場:KYOTO ART HOSTEL kumagusuku

 京都に泊まるなら、泊まってみたい宿がいくつかあった。そのひとつが、 KYOTO ART HOSTEL kumagusuku。ここは宿泊型のアートスペースで、企画展は宿泊客しか観覧できない。ちょうど一人でも宿泊できる部屋が一つ空いていたので、紆余曲折しながらも宿泊できることになった。

 そこは、2階建ての古い町家を改装したものらしい。カギのかかった玄関ドアを開けてもらって中に入ると、左手に共有の洗面台2つ、トイレ(2つ)とお風呂のドアが並ぶ水回りエリア。正面にすぐ2階へ上がる階段があり、階段の前がチェックインのカウンター。その奥が小さなキッチンスペースとカウンター(朝食はここで食べる)。さらにその奥は中庭になっている。中庭の奥の土間はイベントスペースになっているようで、この日は写真集の販売が密やかに行われていた。
 2階に上がったところにある小さな踊り場が共有スペースになっていて、作品がいくつか置かれており、壁にはモニタがかかっていた。共有スペースを囲む玄関上のフロアに3部屋、中庭をはさんで土間スペースの上に作品展示スペースと宿泊室がもう1部屋あった。
 私の部屋(ROOM3)は2段ベッド(というか、ベッドスペースの上にロフト)で、壁にモノクロの写真がかかっており、ベッドの上にモノクロ写真のポスターが2枚置かれていた。どうやらこれが作品らしい。ということは・・・各宿泊室に作品が置かれているということか!
 4つある部屋のうち、2つにはすでに宿泊客が入っていて、そこは観ることができなかった。本来なら宿泊客同士で仲良くなって、どうぞーってお互いの部屋に置かれた作品をわいわい鑑賞するのがベストだろうけれど、そもそも私の部屋には雨でびしょびしょに濡れた衣類や靴が干されていて他の方に入っていただける状態ではなく(靴は基本的に各部屋で保管)、チェックインの時に一緒になったひとり客(この方は朝ご飯の時にも一緒になったのだが、福岡から来た人だった。東大寺の大仏を掃除してからきたらしい)と顔を合わせただけで、あとは宿泊中にほかの宿泊客と顔を合わせることはなかった。というか、合わせないようにしていた。私はコミュ力が低いのである。

 さて、もらったカラーのパンフレットには「遠隔同化 二人の耕平」というタイトルがついていたが、6月下旬に大幅なというか全面的に展示替えがあったらしく、置かれていたのは全然違う作品だった。共有スペースでエンドレスにながれていた映像は、二人の耕平が一つ一つの作品について、おそらくは企画したキュレーターと、あともうひとり(kumagusukuの運営者さんか?)と対話しながら、そのコンセプトや制作過程について話すものだった。
 
 私は現代美術が好きだけれど、作品を見ながら、現代美術って何だろうなぁ・・・と考えてしまった。並んでいる作品のうち、一つだけはなるほどなぁとニヤリとしたのだけれど、あとはだいぶ???だった。作ってる本人も、はっきりと意図して作っているものもあれば、作ってるうちにこうなっちゃった、みたいなものもあるようだった。

 この夏、いろんな芝居や美術作品を見たけれど、芸術の価値ってなんなんだろうと考えた。
 金沢のジェイムズ・タレルの作品みたいに無料で見られる有名な作品もあれば、7000円払ってホテルに宿泊しないと見られない、そんなに有名じゃない作家の作品もある。旅を終えて帰省した実家近くにある図書館で、除籍処分になって”ご自由にお持ち帰りください”って置かれていた内田樹『先生はえらい』という本の中にあった”沈黙交換”という言葉に、ちょっとヒントをもらった気がした。芸術って、そういうわけのわからなさにある意味価値があるのかもしれない。

 kimagusukuは四条大宮から徒歩10分くらいのところにあるのだけれど、周辺にはナイスな飲み屋がたくさんある。kumagusukuでもらったご近所マップにも、おススメ飲食店がたくさん紹介されていた。その中にワインが飲めるたこ焼き屋というのがあり、ぜひここで飲みたい!と、台風の大雨の中さんっざん探し回ったのだけれど見つからない。最終的にあきらめて別のお店に入ったのだけれど、どうやら台風のため臨時閉店だったみたい。くやしい。機会があったらまた行きたい。

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