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「金沢21世紀美術館」

金沢21世紀美術館
 日時:2017年8月9日(水)
 会場:金沢21世紀美術館

 いつか行ってみたい!と思っていた金沢21世紀美術館。やっと来られた!
 前日午後に京都から金沢入りする予定が、台風に伴う大雨で特急サンダーバードが夕方まで運休。ようやく乗り込んだものの、徐行運転で到着は1時間15分遅れで、金沢に着いたのは夜8時。しかも雨。ホテルの近くで夕食をとっておとなしく寝る。 

 兼六園が早朝4時から無料開放されているというので、6時くらいから朝の散歩。兼六園のデザイン性に改めて驚かされた。ブラタモリで紹介されていた金沢城の石垣も見て回りたかったんだけど、あまりの広大さにあきらめていったんホテルに戻り、朝食。
 ホテルから少し歩いたところにあるバスセンターでバスの一日乗車券を購入し、美術館行きのバス停を探すが、見つからない。結局また美術館まで歩く羽目になった。あとでわかったのだが、美術館に行くバスは循環バスで、バスセンターの目の前から出ていた。私は反対車線でバス停を探していたのだった・・・。

 展覧会ゾーンの開館時間である10時ちょっと過ぎに美術館に着く。すでにたくさんの人がいた。ミュージアムショップやチケット不要で見られる作品がある交流ゾーンは9時からオープンしているので、ホテルでぼんやりしてないで早めに来ればよかったんだなぁと今思う。庭にある恒久展示作品、オラファー・エリクソン≪カラー・アクティヴィティ・ハウス≫が、朝の光を受けてとてもきれいだった。散歩の時間にゆっくり鑑賞したのだけれど、そのときは曇っていた。光が射すと全然見え方が違った。

 美術館の建物は円形のガラス張りで、とても明るい。B4サイズ以上が入るカバンは持ち込めないため、無料のロッカーに預け、チケット売り場に並んでチケット購入。バスの一日乗車券があれば200円引きだった!ちなみに、事前にぴあやローソンで前売りチケットを購入すると、同じく割引料金で入れるみたい。
 とりあえず館内を探検。
 ミュージアムショップの前にあるデザインギャラリーでは、モノの色や形を音声化するデバイスが展示されていた。たくさんの人が並んでいて、短時間しか体験できず、私は音で色や形の区別がつかなかったけど、上手く使えば視覚障がい者が音で”みる”ことができるようになるだろうなぁと思った。実際、慣れれば障害物をよけたり、椅子を見つけて座ったりできるようだった。
 チケット売り場からも見える光庭には、あの有名なプール、レアンドロ・エルリッヒ≪スイミング・プール≫がある。たくさんの人がプールを囲んでいた。
 私の大好きなジェイムズ・タレル≪ブルー・プラネット・スカイ≫は、直島にあるものとほぼ同じもの。チケット売り場のちょうど反対側にあって、誰もいなかった。ひとり占め。この作品は交流ゾーンにあり、無料で見られる。しかも夜は10時まで見られるみたい。いいなぁ・・・。福岡市美術館にもタレル置いてくれないかなぁ…。

 展覧会は2つ+コレクション展1つ。それ以外にも長期インスタレーションルームと、デザインギャラリーにも無料で見られる展示がある。

 『日々の生活--- 気づきのしるし 展
 会場に入ってまずあったのは、巨大な無印良品のタグがずらりと並んだ部屋。圧倒されて度肝を抜かれた。一つ一つのタグに書かれたことば、いろんな言語で書かれていたり、国によってラインアップが違っていたり、おもしろかった。
 
 ”YOUR MEMORY"という展示は、「展示を通してものと人々の関わりそのものと自分との関係を考えるプロジェクト」。来館者が持参した品物にまつわる簡単なエピソードと自分の名前を設置してあるタグに記入し、棚の空いているところにその品物を置く。代わりにすでに棚に置かれている他の人の「Your Memory」の品物を持ち帰ることができる。置かれていたのは、子どもが使っていたものやお土産品、果てはレシートまで。それだけだと何の価値もないように思えるがらくたが、”思い出”というタグをつけただけでなんだか価値のあるものに思えてくるし、誰かとそれを共有できる。不思議。
 「幸せになってください」というタグが付いた指輪もあった。この指輪にはどんなものがたりがあるんだろう。それを想像しただけでなんだか泣けてしまった。

 [HOME]という展示では、デンマークと日本の日用品や家具を、IKEAみたいに部屋のような区画に並べてあった。これが美術館にあることと、IKEAや住宅展示場にあることの違いは何だろう、と考える。

 光庭には三分一博志の[HUT FOR SUN, WATER AND AIR(風、水、太陽の社)]。水の張られた庭に渡された木橋を渡り、木造の小屋の中で、湿度や温度や光や風を確かに感じる。

 円形の展示室を囲む廊下にはD&DEPARTMENTの「d design travel」がぐるりと並ぶ。埼玉、まだ買ってないや。
 
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 『ヨーガン レール --- 文明の終わり 展
 展示室13の入り口にヨーガン レール氏の言葉が掲げられていた。
 1年の大半を過ごす沖縄の海に、大量のゴミが流れつき、海岸を汚していること、そのことに心を痛め、「そのゴミを使って、何か自分が美しいと思うものを作り出す努力をします。ただ美しいただけのオブジェではなく、もう一度人の役に立つ実用的なものに変えましょう。」 と思って、この作品を作ったこと。そして、「私はこれを自分の最後の仕事だと思っています。」
 中に入ると、カラフルで幻想的なあかりが灯されていた。美しい。そのカラフルな色の一つ一つが、ペットボトルキャップや、浮きなどのプラスチックごみだった。漁網やおもちゃみたいなものもたくさんあった。
 展示室の外には、ヨーガン レール氏のインタビュー映像と、彼が過ごす島の同じ場所で撮られた2枚の写真が並ぶものがいくつか。1枚は美しい海、1枚はゴミが散乱、というより山積みになって打ち上げられた海岸の写真。
 
 ヨーガン レール氏は2014年に逝去。

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 コレクション展2『死なない命』
 Chim↑Pom≪SUPER RAT≫とか、八谷和彦の≪OPEN SKY≫等、観たことある有名作品もいくつか。
 
 合間にちょいちょい恒久展示作品が置かれていて見られるようになっている。
 展示室6から≪スイミング・プール≫の地下部分に入ることができる。また、トイレにも作品があったらしい。知らなかった。飛ばしちゃった作品もあるみたい。

 美術館を出てから、四高記念館、にし茶屋町、ひがし茶屋町と急ぎ足でぶらぶら。バスの乗り継ぎも悪く、お昼ご飯を食べる暇もなく帰りの新幹線の時間になった。ううむ、もうちょっと遅い電車にしとけばよかった。いろいろと後悔が残るぞ、金沢。また行きたい、かな?

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