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「ピッピピがいた宇宙」

あひるなんちゃら「ピッピピがいた宇宙」
 日時:2015年10月25日(日)18:00開演
 会場:ぽんプラザホール

 前身のあひる実験室→あひる製造も、その存在は知っていたし、みんな「面白い」と言ってた。けれど聞けば大喜利とかコントとかやってるらしく、それって演劇じゃないじゃん、そもそもお笑いとかそんなに好きじゃないし、と思って観に行かなかった。その後、東京に芝居を見に行ったときに折り込まれるあひるなんちゃらのチラシに、あれ?東京進出?と思った。聞けば主宰の関村さんはもともと東京の出身で、実家に帰って東京で芝居を続けているとのことだった。それもなかなか評判よく、しかもちゃんと演劇だというので、一度見たいなーと思って、実際一度観に行った。その後、東京で観劇するたびにチラシだけはもらうものの、残念ながら見る機会なし。
 そのあひるなんちゃらが、やっとやっと福岡で観られる!

 福岡で上演することを前提に作ったというこの芝居、出演者は劇団員3名のみ。大人数で来るとお金かかるからね。関村さんもご出演。ちなみに役者・関村さんは芸工大の多次元ホールでやった「ジューシーカメラ」とか、あなぴの公演とかで、過去何度も舞台で拝見している。
 二つ折りの豪華なチラシには、演劇を始めるきっかけになった1995年から現在までの年譜が関村さんによって長々と書かれている。そもそも私は、関村さんが書く文章がとても好きで、ここ最近の公演チラシにものすっごく小さい字でいろいろ書かれているアレもいつも隅々まで読んでいる。だからいつもの、ぐらいに思っていたが、実は
このチラシは福岡公演のために作ったもので、東京では公演を見に来たお客さんにしか配られなかったらしい。

 ぽんプラザホールの舞台にはいくつものガラス玉がぶら下がっていて、青や緑の照明が当たって光っている。きれい。床には白い四角いマットが敷かれ、黄色い椅子みたいな岩みたいなものが一つ置かれている。

 開演時間になり、黒いスーツ姿の関村さんが前説。
 「携帯電話・PHS等の音の鳴る機器の電源は別に切らなくてもいいです」とか「会場内での飲食喫煙は禁止ですが、水とか水じゃなくても飲むくらいならいいです。ただ、こぼされて電動で引っ込むこの椅子が壊れると私は泣きます」とか、もうすでに普通じゃない。前説後は、「ふつう暗転とかするんですけど、私このままここ(ステージ上)の待機場所で待機しますので」と、関村さんがステージ上で待機している状態で暗転。

 町内会の福引で当たって、宇宙旅行に来た兄(根津茂尚)と妹(篠本美帆)と添乗員(関村俊介)。そこから地球を眺めるが、地球は赤くなったり黄色くなったり緑になったり。何か大変なことが起こってるのかもしれないけど、よくわからない。そこには”宇宙人”とされる物体がある/いるが、それが本当は何なのかもよくわからない。そんな感じの状況で3人がだらだらしゃべる70分。

 前回観たときとあんまり印象は変わらず。すごい事件が起こるわけでもないし、当たり前のように交わされる、でも冷静に考えたらそれおかしいよね?というズレた会話がじわじわ可笑しい。客席はなかなかに暖かく、みんなげらげら笑っていた。

 このままだらだらと終っていくのかなーと思っていたのだけれど、最後の最後、主題歌の初めの一節にやられた。”福岡公演を前提に作った”って、そういうことか!ああ、だからあの最初の台詞、もう一つのガガーリンの言葉、あのチラシも!と、私の中で勝手にすべてがつながって、胸きゅんスイッチが押され、泣きそうになった。

 アフタートークで関村さんは「また福岡公演をやりたい。毎年は無理だから2年に1回くらい。将来的にはまた福岡に住みたい」とおっしゃっていたので、きっとまた福岡公演をやってくださると思います。その日を楽しみにしています。

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