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「ユリイカの罠」

あなピグモ捕獲団「ユリイカの罠」
 日時:2015年6月13日(土)19:30開演
 会場:ぽんプラザホール

 あなぴ新作は総勢18名が出演。ちょっと多すぎないか?
 会場はぽんプラザホール。なぜだか、やっぱりここがあなぴのホームグラウンドって感じがする。

 半円形に並ぶ柱。ブルーのライトが足元から柱を照らす。正面奥には何かが立っている。なんだろう?んー、しかし、この装置にはなんだか見覚えが。

 隔離された土地、親たちは子どもを守るため、自分を犠牲にしてこの街?にやってきた。
 オクルス(大竹謙作)が目撃した、この街の創世記の7日間。
 

 大竹くん、犬。
 あなぴには今までも犬が登場する芝居はあったけど、ついに主役か。オクルスがしゃべるときにBGMがかかるのが、「シレンとラギ」の時の河野まさとさんを思い出させる。

 街では一応の規律が守られており、人々はどうにか平穏に暮らしている。
 森の奥には一枚岩=モノリス。それは墓石の集合体。モノリスがある場所にはユリイカの花が咲く。そしてそこには秘密がある。世の中には知らないほうがいいこともある。それでも人は”真実”を知りたがる。その”真実”だって、誰か、たとえば神が描いたシナリオの一ページにしかすぎないかもしれないのに。

 街の掟を破ったものは”総括”という名の集団リンチを受ける。この街を出て行ったキヨシロウ(大竹謙作・二役)を追いかけたが、彼を見つけて”消す”ことができずに街に戻ってきたハルオミ(天野智範)は”総括”を受けることに。

 あの日街を出たキヨシロウは、たどり着いた場所で、傷つき、ぼろぼろになりながらも、親切な人に助けられ、どうにか息をついた。あの日彼を助けた鈴木ケイイチ(貝谷聡)とヒイラギ(小畑佳子)はキヨシロウを探して街へやってくる。

  7日目、神は休んだ。
 8日目、神は死んだ。
 そして、人間たちが好き勝手にやりだした。そんな世界において、自分は正しいのか。

  リュウイチ(松岡伸哉)もまたこの街を出ようとしている。街を焼き尽くして。 

 過去作品、とくに東京時代の作品のモチーフがたくさん出てくる。
 世界を見つめる犬。
 外側から閉ざされた街に来る人。取材する人。
 スーパーノヴァ。
 獅子丸。
 作品を世に出す編集者。
 人が集まる店。
 徒花。
 
 18人もいる出演者だけれど、それぞれの役者に、それなりに物語に絡んだ見せ場が用意されていて、それぞれの役者への愛情が感じられる。 
 天野くんが勘を取り戻した感じ。優しくて、強くて、落ち着いた、コミューンの長。
 天野くんがお父さんだとしたら、清水さなえさんはコミューンのおかあさん。しっかり者。せりふ回しがすっきりしていて好き。
 伊藤綾さん、先日の酔っ払いとはまた全然違う。出番はそんなに多くないけれど、凛としたその存在がかっこいい。伊藤さんの台詞に泣けた。おそらくは誰よりもキヨシロウを心にかけ、つながらない携帯電話を日夜握りしめて、遠く離れてもずっとずっとキヨシロウを想っていた人。
 小畑さん。初見。元気良くていいね!
  
 いつもながら衣装がばりかわいい!
 こがきょさんは今回も胸元が大きく開いていて胸強調。見てるこっちがどきどきする。
 双葉ちゃんのふわっとした袖とギザギザの裾がかわいい。
 小畑さんのボレロつきワンピースの、細かいプリーツも素敵。

 クライマックス、大竹くんと天野くんの挑戦的なせりふ。
 物語はあるようでないようで、もちろんちゃんとあるんだけれど、結局のところ、最後は作家が言いたいことをずいぶんとストレートにぶちまけてたように思った。そっち側にいる人と、こっち側にいる人、ここにいる人とあそこにいる人への愛とか感謝とか文句とかその他もろもろ。たぶんそっち側の人にもこっち側の人にも、ここにいる人にも、それなりに何かが伝わった、と思う。少なくとも私には、それなりに受け取るものがあった。で、ちょっぴり泣けてしまった。
 
 「ユリイカ」って、ギリシャ語で「わかった!」ていう意味らしい。わからないけど分かったつもりになってしまう、あなピグモ捕獲団の罠。
 でも、元ネタはこっちかな。

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