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「海街diary」

海街diary
 日時:2015年6月20日(土)
 会場:ユナイテッドシネマ福岡

 吉田秋生の漫画を是枝裕和監督が映画化。
 是枝作品はなんだかんだ言って追っかけてるので、とりあえず観る。
 キャストも魅力的だし。

 

 過去の是枝作品と重なるところの多い、是枝さんらしい映画。
 映画を見てからネットで原作漫画を試し読みしてみたけれど、ほぼ原作通りな感じだった。よそに女を作って出て行った父親とか、残された子どもたちとか、鎌倉という舞台とか、マンガのほうが是枝さんのエッセンスをもらってるんじゃないの!?と思えるほど。
 *とあるインタビューによると、佳乃がすずにペティキュアを塗る場面や、4人姉妹が揃って海猫食堂を訪れる場面はオリジナルとのこと。

 何か重大な事件が起こるわけでもなく、登場人物たちの日常を描きながら、それぞれのこころの奥にある人が人を思う気持ちが見える気がする。
 4人姉妹を演じる女優たちがみんないい。しっかり者の長女・幸(綾瀬はるか)は看護師。父がほかに女を作って出ていき、母も再婚して出ていき、残された祖母と2人の妹の面倒を見てきた。祖母も見送り、一家の大黒柱。勤務先の病院の医者(堤真一)とつきあっているようだが…。
 自由奔放な次女・佳乃(長澤まさみ)は、ダメな男とつきあってはフラれ、酒を飲んではうっぷんを晴らす。銀行で働いている。最近ちょっと出世して外回りの営業にも連れて行ってもらうようになった。長澤まさみはちょっと雰囲気、というか顔つきが変わったなー。この作品でも美脚を惜しげもなく披露し、ノースリーブにおなかも出しちゃったり、下着姿もありで露出多め。原作の佳乃がそういう人だからなんだけど、なんかぴったり、だった。
 三女・千佳(夏帆)は、おっとりしたちょっと変わった子。釣り好きで、スポーツ用品店で働いていて、店の個性的な店長と仲良し。夏帆ちゃんはネットでも”劣化した!”と話題になっていたけれど、あれは役作りなのか。だとしたらすごい。彼女もぴったりはまってた。彼女が腹違いの妹すず(広瀬すず)と二人でおばあちゃんの味だというちくわカレーを食べながら、のほほんと「あたし、お父さんのことあんまり知らないんだよねー」「お父さんのこと、教えてね」っていう場面が、一番泣けてしまった。
 すずを演じた広瀬すず。名前が同じなのは偶然!?ルックスもマンガのすずにそっくり。大きな瞳も、おかっぱ頭も、とにかくかわいい。サッカーをする姿はかっこいい。この映画を撮っていたときは、本当に15歳だったのかな。女優としても3人のお姉さんたちに一生懸命ついていってる感じがした。
 あちこちに、4人は姉妹であり、お父さんとお母さんの娘なんだという、家族の血のつながりを感じさせるエピソードが織り込まれていてほっこりする。

 すずのサッカー仲間・風太に前田旺志郎。大人になったねーと思ったけれど、まだ14歳だって。声変わりして、背も伸びて、しゅーっとほっそり。まだ恋ともつかないすずとの関係にちょっときゅんとする。桜のトンネルに連れて行く場面とか、黙ってすずの話を聞く様子がよかったなー。今後どう成長していくか楽しみ。
 食堂を営む二ノ宮さん(風吹ジュン)と、常連の喫茶店店主(リリー・フランキー)の関係性も素敵だった。リリーさんは北九州の言葉でしゃべってた。すずに「お父さんの話したくなったらおいで」って言うのもよかったなー。しらすトーストや生しらす丼のエピソードも鎌倉っぽくて好き。

 4人姉妹の父親は全く登場せず、ただせりふの中に「優しくてダメな人」とだけ出てくる。どんな人だったんだろうなーと思いながら見ていたが、4人姉妹のそれぞれがほのかに気持ちを寄せる男たちが、みんな彼女たちの父親に見えてきた。

 いろんな葛藤もありながら、やっぱり血のつながりにはあらがえないし、家族っていいものだと思える映画でした。あ、これは「そして父になる」に近いかも。

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