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「三人姉妹」

「三人姉妹」
 日時:2015年3月15日(日)13:00開演
 会場:シアターBrava!

 KERAさん演出のチェーホフシリーズ。
 チェーホフを面白いと思ったことは一度もないけれど、「モスクワへ」とか「生きていかなければ」とか、有名なせりふがいっぱいあって、まぁそれもどれがどの作品のせりふなのか全然わかんないのだけれども、とにかくこれだけ繰り返し上演されたり、いろんな作品に引用されるということは、やっぱり面白いのだろう。三人姉妹を余貴美子、宮沢りえ、蒼井優、その他堤真一や段田安則さんもご出演とあれば、観たい!
 というわけで、先月も大阪行ったけど、また大阪日帰り観劇・・・。

 とても面白かった。
 大阪へ向かう新幹線の中で、阿刀田高の「チェーホフを楽しむために」で、見どころを予習。以前、北九州芸術劇場で、宮崎の永山智行さん演出の「三人姉妹」を観たことがあって、その時のイメージもあって、予習効果は絶大だった。
 ケラさんの演出は実にスタンダードで、せりふもト書きも基本的にチェーホフに忠実なようだった。音楽の使い方もおしゃれで、ケラさんらしいなと思った。

 冒頭、オーリガ=余貴美子はなんだか疲れている。マーシャ=宮沢りえはけだるい雰囲気。イリーナ=蒼井優は若々しく元気いっぱいだ。蒼井優ちゃんにはこういう翻訳調のセリフがとても似合っている。
 ヴェルシーニン=堤真一が登場すると、なんだか舞台上が華やかになる。何か面白いことをしているわけでもないのに、ヴェルシーニンさんは愉快な人だった。堤さんという人は本当に魅力的な人。三人姉妹の気持ちも一気に惹きつけてしまう。

 役者さんがみんなうまい!マーシャの夫クルイギン=山崎一は、田舎の教師で、きっと若くて美人の妻を自慢に思っていて、彼なりに全力で愛していて、悪い人じゃないんだけど、ちょっとうざい。トゥーゼンバフ=近藤公園は、理想は高いけど、全然行動が伴ってない。ソリューヌイ=今井朋彦は今でいうならコミュニケーション障害だよなー。アンドレイ=赤堀雅秋は、3姉妹に囲まれた田舎の長男。結局は嫁のナターシャ=神野三鈴の尻に敷かれちゃってる感じ。チェブトゥイキン=段田安則は何もなしえずに年齢を重ねてしまった老医師。ピリッとしない、でもそこが面白い男たちを、俳優さんたちは皆魅力的に演じる。

 チェーホフのセリフも、うまい役者さんたちが声に出すだけでこんなにも世界が違って見えるものかと驚くほどだった。ラストシーン、旅団は去っていき、イリーナは婚約者を亡くし、三姉妹の家は嫁に仕切られている。そんな中、最後のセリフはとても絶望的に聞こえた。ああ、これは悲劇なんだなーと痛感した。今まで思ったこともなかったけど、はっきりと悲劇だった。

 まぁ現実はやっぱりそんなに甘くないし、人はだいたいピリッとしない人生を送っているし、ミもフタもなくチェーホフの描いている通りだ。となれば日々の些細な出来事に泣いたり笑ったり何かに憧れたりしながら、平穏に分相応に日々を過ごすのがよいかと思います。

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