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「誰がためにも歯車は回らず」

あなピグモ捕獲団「誰がためにも歯車は回らず」
 日時:2014年6月14日(土)19:00開演
 会場:ぽんプラザホール

あなぴ新作。
 はじめましての役者さんたちも交えて、ぽんプラザホール。

 舞台をかなり広めにとって、襖みたいな木枠が壁状に。手前袖は格子状の段になった壁(うまく説明できん)。
 ブルーのライトがきれい。

 ”ごあいさつ”に書かれていることが、めずらしく本音にあふれていて、どうした?と思う。

 冒頭、皆藤(大竹謙作)に別れを告げる住田トキオ(根津茂尚)。
 ちょっと切なくなる。真っ先に思い浮かぶのはあの人だけれど、彼以外にも去って行ったひとはたくさんいる。

 古いのと新しいの、二つの時計台のある街。
 携帯の電波もなんだか届きにくい、田舎の、寂れた街。
 トキオは壁を作りにこの町に戻ってきた。
 ずっとこの町で暮らす人、久しぶりに戻ってきた人。そんな人たちの今が、トキオの死をきっかけに交錯し、何かが動きだしそうな予感。

 個人的には伊藤綾さん演じる木内に、いろんな面でかなり共感。
 土屋=野中双葉ちゃん、かわいいねー。かわいがられてるねー。 
 
 15人の役者が入れ代わり立ち代わり、出たり入ったり。短いシーンが切り替わり、ばらばらに提示されるシーンのつながりが見えにくい。
 ずっと一緒にやってきた役者、福岡から東京に出て行った役者、東京からやってきた役者、ずっと福岡にいる役者、しばらく芝居から遠ざかっていた役者、初めて舞台に立つ役者・・・そんないろんな経歴の役者が15人。こういういろんな経歴の役者を集めて舞台に立たせたかったのかなと思う。けど、全員をうまく使いきれていなかった印象。

 さまざまなモチーフには、たぶんいろんな意味が二重三重に込められていて、それを一つ一つほどいたりはがしたりしながら、自分のもつ糸でつないて形にする。
 ときどき投げ渡されるコトバやあれやこれやにぎゅっと心をわしづかみにされる瞬間がある。
 ずるいなぁ、と思う。
 くやしい。

 照明が超きれい!そもそも、めちゃくちゃいっぱい仕込んである!コンサートみたいでカラフル。

 ラストシーンの歯車、紗幕の向こうのトキオに照明が当たるたびにうっすらと見えてはいたけれど、もうちょっとゆっくり見たかったなぁ。よく作りこんであるのに、一瞬しか見えなくて残念。

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 辞めることで自分自身に嘘をつき続ける人生を送るというのなら、続ければいい。
 あなたにとっての真実ってなんなのか?

 とかいいつつ、私も自分に嘘をつきながら働いてるな、と思う。思うけど、3年に1回くらい真実に出会う瞬間がある。この瞬間があるから辞められないなって思う。きっとおんなじなんだろうね。
 揺れているのは世界じゃなくて自分自身じゃないのかな。どんなに揺れようと、自分はここにいる。ただそれだけはゆるぎない事実。それだけが、信じられるもの。だから、「誰がためにも歯車は回らず」。ただ、回る。たくさんのほかの歯車とかみ合うことで何かを動かすために。時に不協和音を奏でながら。
 それでも私はこちら側で、私のためだけに歯車は回っているんじゃないかと思う。それこそがあなピグモ捕獲団の罠なんだけど。

 これ書きながらTHE ALFEEのラジオを聴いていたら、3人が「俺たち、解散とか考えなかったよなー」「そうそう。解散するのってエネルギーいるじゃん」「グループだとほかの人に頼れるしねー」って言ってた。確かに。単にめんどくさいからやめられないんだな、きっと。そんなTHE ALFEEは今年で結成40周年。あなピグモ捕獲団も、ここまできたらもう、そのぐらい続いてほしいです。

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