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「マーガレット・サッチャー~鉄の女の涙」

マーガレット・サッチャー~鉄の女の涙
 日時:2012年3月
 会場:ユナイテッドシネマ福岡

 イギリスの映画なら観ておくべきだろう(個人的な趣味で)。
 アカデミー賞も取ったしね。
 
 そもそも、私にとってイギリス首相と言えばサッチャーだ(年齢がばれるが)。
 女性なのに、イギリスの首相。日本でも女性が要職に就くなんてあまり考えられなかった時代に、一国の首相だったひと。イギリスって、“紳士の国”というイメージがあるけど、なんてリベラルな国なんだろうと思っていた。しかし、今冷静に考えても、あの当時に女性が首相だなんて、本当にすごいことだったのだ。

 映画は、80歳を超えた現在のマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)の日常の様子に、彼女がその日常の中で時折思い出す、若い時から今までの自分の人生がさしはさまれる。年老いたサッチャーには夫・デニス(ジム・ブロードベント)が見える。彼はもう何年も前に亡くなったというのに。
 サッチャーの思い出は、政治家を志した若い日から、デニスと出会って結婚し、双子の兄妹が生まれ、政治家として成功していく様子が、ほぼ時系列順にさしはさまれる。そんなふうに過去に思いを巡らせ、幻の夫と会話しながら日々を送るサッチャーは、周囲からみれば不可解としか思えない。
 娘の回顧録によれば、現在サッチャーは認知症を患っているとされている。

 衣装も素敵。
 若い日は薄い水色、歳を重ねるにつれて濃いロイヤルブルーの衣裳を身に着ける。政治家として失脚していくにつれて、赤や黒の衣装を身につけ、彼女の気持ちの変化や社会的なポジションの変化を表している。

 メリル・ストリープがサッチャーになっていた。でも、ちゃんとメリル・ストリープだった。納得のアカデミー最優秀女優賞。
 彼女はとてもきれいな英語を話していた。演じるにあたって、サッチャーのスピーチを徹底的に聞いたということだけれど、政治家としてのぼりつめて行くに従って、若いころは高い声できいきいわめきたてていたサッチャーが、スピーチセラピストの指導も受けて、低めの落ち着いたトーンで話すように変わっていく変化もよく演じられていた。
 彼女以外の俳優はみんなイギリス人という中、たった一人ハリウッド女優として乗り込んだ彼女は、男社会の中で一人孤独に奮闘するマーガレット・サッチャーを重ねられたらしい。
 また、彼女の老けメイクがすばらしい。アカデミー賞のメイキャップ賞も受賞。

 ラストシーン、「食器を洗って一生を終えるつもりはない」と言いながらデニスのプロポーズを受けたマーガレットが、ティーカップを洗っている。“食器を洗って、一生を終え”ようとしているのか。

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