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「異郷の涙」

劇団太陽族「異郷の涙」
 日時:2012年2月5日(日)14:00開演
 会場:北九州芸術劇場小劇場

 太陽族久しぶり。
 観る前は、ちょっと変わっちゃったかな~と思ったけれど、全然そんなことなかった。そういえば歌ったりしてたな~ということを思い出した。

 開演直前。
 ジャージ姿の役者さんがセットに登場してストレッチ。
 韓国からやってきた2人の役者が紹介され、太陽族の役者の一人が在日三世であることが語られ、この物語が1961年を軸にしたものであるということが語られる。それは演じる役者たちのほとんどもまだ生まれていない時代だ。

 舞台は大阪の鶴橋に近いところにある、在日韓国人が経営する旅館。ボリショイサーカスのプロデューサーだというロシア人や、韓国人のプロレスラーが滞在している。その旅館に、力道山が来るという。力道山をめぐって、旅館に集まる人たち。一方旅館の外の町では、労働争議?のようなことが起きていて、旅館の息子はそれにかかわっているらしい。

 1961年という時代がどういう時代だったのか、身近に感じられないので十分に理解できないところはあったけれど、まあそれは、作者の岩崎さんだって取材をもとに想像で描いているのだろうから、理解しなければならないものではなかっただろう。 
 力道山はもちろん実在の人物として知っていたが、そのほかの人たちについては実在の人なのかどうかよくわからない。最後の字幕で登場人物たちのその後が流れて、あ~モデルがいたのかぁと思った。最後の最後に、金幸子について”紅白歌合戦出場””新人賞受賞”と出てちょっと混乱した。「あの鐘を鳴らすのはあなた」も劇中に流れたし、観ながらずっとブルース歌手を目指している、とても背の高い彼女はあの人がモデルだろうなぁと思いながら観ていたのに。そうか、新人賞とか取ってたのか。言われたらそうですね。

 韓国の役者さんがすばらしい。
 特に、大山金太郎を演じたキム・ジュンテさんがすばらしかった。
 太陽族の役者さんたちは、みんな歳とった感じがする・・・。森本研典さんが、在日韓国人っぽいセリフ回しで、相変わらず怪しげで、うまい。

 ラスト近く、讃美歌のような君が代をバックに、いきなり日の丸と橋下大阪市長の映像が流れる。
 ???何?とりあえず、岩崎さんは危機感をもってるんだなぁという気がした。
 そうとしか思えなかった私は、たぶん危機感が足りないんだろうなぁと思った。

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