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「空の月、胸の石」

こふく劇場「空の月、胸の石」
 日時:2011年8月20日(土)18:00開演
 会場:旧百三十銀行ギャラリー

 宮崎ほか九州各地(一人は宮崎出身で東京在住)で活躍する若手女優たちを集めたこふく劇場の公演。作・演出の永山さんが27歳のときに書いた作品らしい。

 個人的な話だが、私は25歳で実家を出て北九州の八幡で一人暮らしを始めた。
 福岡県に採用されたとはいえ、まさか北九州に配属されるとは思いもよらず、しかも思い描いていた仕事とは違っていて、3年間の間に軽く鬱になりかけた。それでも職場ではたくさんの方々によくしていただいて、たくさんのことを学んだ。北九州でたくさんの人やもの出会って、それらは確実に今の私の中でとても大きなウェイトを占めている。
 そんな私にとって、八幡で、25歳女子たちの芝居を観る。しかも私は永山さんとはほぼ同世代。かなりやられてしまうであろうなぁとは思いつつ、観劇。
 

 高校の演劇部の同級生女子3人。同級生の誰かが結婚するという手紙をもらって、8年ぶりに集まった。ドリンクのカップを片手に、高校時代の思い出に花が咲く。3年間で一度しか立てなかった演劇大会の舞台。2年生のときは、顧問の先生が脚本を途中まで書いて急にやめてしまったせいで、大会には出られなかったのだ。

 ”石”は”意思”でもあるのでしょうか。
 あの日、伝えられなかった思いは、今でもずっしりと私たちの胸の中にあり、だから今、伝えようとこころに決める。”映画”というかたちで。私はカメラ、私は主役。それぞれが自分のものがたりを語り始めようとしている。

 そんな彼女たちを観ながら、私はあの日の自分、あれから出会った人、別れた人に思いを巡らせる。
 あれから8年どころか十数年がたち、それでも私は25歳のころの自分と、どこが変わったのかわからない。
 10歳の私、14歳の私、17歳の私。
 あのころ、25歳、さらには40代の自分をどう想像していただろう。
 あの日の自分に、今の私は何と言ってあげたいだろう。

 自分の存在とか、将来への不安とか、そんなのはあんまり感じていなかった気がする。わりと楽観的なのだ。
 それよりもむしろ、今ここにいる自分になんだか不安を感じる。いや、いつも感じていた。これまでの自分って何だったのか、今の自分のなんと不甲斐ないことか。
 私の胸の”イシ”は、ただただ重いばかり。明日へと歩き出す”意思”という思いにはなっていない。

 ブルーハーツがヒキョウ。特に「夕暮れ」には参りました。号泣。声をあげて泣きそうになりました。

 終演後、かつて住んでいた街の、日本酒がおいしいお店のカウンターに、十数年ぶりに座る。十数年前と少しも変わらず、女一人でカウンターに座る怪しい客を温かく迎えてくださって、とびっきり美味しい日本酒を飲ませてくださいました。
 さてさてこれからどうするか。不安も、期待も、全部ひっくるめて、そろそろ真剣に考えなければいけないのかもしれません。

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