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「睡稿、銀河鉄道の夜」

飛ぶ劇場「睡稿、銀河鉄道の夜~北九州プレビュー版」
 日時:2009年6月20日(土)15:30開演
 会場:北九州市立大手町練習場

 飛ぶ劇場の夏公演は、どういうわけか札幌と長崎でしか公演がない。なんで?
 と、思っていたら、北九州でプレビュー公演をやってくださいました。あっちこっちで情報が解禁されると、チケットはあっというまに売り切れ。
 大手町練習場、久しぶりだなぁ・・・。とか思っていたら、なんだか時間を間違えていたらしく、さらにバスの中で、珍しくつけていたコンタクトがおかしくなり付け替えたりして、ギリギリに会場入り。

 会場では、ジョバンニ=大畑佳子さんとカムパネルラ=藤尾加代子さんが受付をしていて、車掌=木村健二さんがチケット=切符を切ってくれた。開演時には珍しく作演出の泊篤志さんのごあいさつ。

 行きのバスの中で、「銀河鉄道の夜」を読んでいた(コンタクトがおかしくなるまで。物語でいうと、銀河鉄道に乗り込むとこらへん)。
 私は、宮澤賢治があまり得意ではなく、これまで何度もチャレンジしながらも、ちゃんと最後まで集中して読み通せなかった。だから、だいたいの話は(有名だし)頭に入っていたけれど、ジョバンニとカムパネルラの二人以外、どんな登場人物がいるかとか、そもそもジョバンニとカムパネルラのどっちが主人公かとか、全く分かってなかった。結局、それがよかった。原作に対する思い入れが全くないぶん、純粋に”芝居”を楽しむことができた。
 帰りのバスの中で続きを読んだのだけれど、思った以上に原作に忠実だった。だけど、ちゃんと泊稿、銀河鉄道の夜だった。

 練習場での公演ということで、ちゃんとした照明設備も音響設備もなし。
 観客席は、舞台エリアをはさんで向かい合っていて、一方の客席は“参加席”になっているという観客参加型の芝居だった。かなりの客席参加っぷりで、会場が一体になっている温かい雰囲気があったし、ちょっとしたワークショップみたいだった。道具も少ないし、きちんとした照明や音響設備がなくてもここまで成立する芝居なので、小学校とか老人ホームに持って行ったら面白いんじゃないかなぁ。こういう言い方もナンですが、“売れる”芝居だと思います。
 歌ったり、踊ったりもたっぷり。Ajiさんのパーカッションも、思った以上に激しくてポップでかつ繊細でした。

 ジョバンニはカムパネルラと「ほんとうのさいわい」を探しに、どこまでも一緒に行こうという。けれど、「だれかのさいわいのためになにかをしたいのに、だれのためになにをしたいのかわからない」。
 20代の頃、私もそんなふうに思っていた。だけど、そんなふうに思ってたことさえすっかり忘れていた。いまだにわからない。今の自分がしていることが、誰かのさいわいにつながっているのか。つながっていないのならば、私が今ここにいることって何なのか。ああ、そんなふうに思える日常は、ジョバンニのさえない日常と同じかもしれない。

 「ぼくらのかみさまとみんなのかみさまはおなじ」
 なのに、世界中にあちらこちらでは、自分のかみさまが正しくて、誰かのかみさまは正しくないと争いを続けている。争うことで、誰かが誰かのさいわいを奪う。

 今はもういないひとたちと、銀河鉄道に乗って共に旅をしたジョバンニ。
生きることは旅だとしたら、教室で居眠りしてる間にも、今はもうこの世にいない大切な人は、いつもすぐそばにいる。そう思うと、「まことのみなのさいわいのために、どこまでもぼくといっしょにいくひと」は確かにすぐそばにいるのだと思う。
 
 ・・・そんなことなどなどをおもって、私はなんだか泣けてしまったのでした。

 札幌はさすがに無理だったけど、長崎公演は見に行きたいなぁ。どんな“演劇”になっているのかなぁ。

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