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「s.e」

座”K2T3「s.e」
 日時:2008年1月23日(金)20:00開演
 会場:ぽんプラザホール

 秦かよこさんの初 作・演出作品らしい。
 大笑いもできるし、くすっと笑えて、ちょっぴり泣ける。言葉がとてもきれいで、ものがたりもきちんと作られており、こじんまりとしたいい舞台でした。

前説。とはいえ、すでにここから芝居は始まっていた。
 織田鉄工所(広瀬健太郎)&小山田にこ(清水理絵)のお笑いコンビ=ファーストエディションによる超ハイテンションな前説。広瀬さん、かっこいいなぁ。風三等星は、なんだかタイミングを逃しっぱなしでまだ見たことがないんですよ。次こそは是非!

エピソード1『さいかい・第二章』
 にこは自宅でネタを考えていた。ちょっとうとうとしたすきに見た夢では、昔の相方=キャロライン歌川(おから)が織田と組んで舞台に上がっている。なんで?と、夢から醒めた時、織田が自宅にやってきた。さあ、稽古しましょう!と思ったのに…。
 おからさんは、元K2T3の劇団員だったらしく、ああ、だからエピソード1は「さいかい」なのね。いつ~の間にか客席に陣取っていて、携帯をいじったりジュースの缶を開けていたり?していたキャロライン歌川。声が素敵。開演時、さいかいに向けて静かに客席から舞台へと上がっていった。

エピソード2『s.e』
 システムエンジニアとしてバリバリ働いている千晶は、ある朝、部屋に掛けられた制服を見て、高校時代を思い出す。千晶の高校時代、彼女の祖母は、どういうわけかその制服を着るのが大好きだった…。
 かなりどうでもいい“s.e”の数々がばかばかしくておかしい。映写がずれるのまでネタだった。今はもうここにいないひとと対話してるんだということは何となくわかって、泣けてしまうのだけれど、それでもばかばかしいネタに我慢できずに泣きながら笑っちゃう、という状況が私はとても好きだ。人生には泣くほど悲しいことなんてそんなにたくさんはない。むしろ笑えることのほうが多いのだ。
 ぎゃおさんのおばあちゃんぷりが素晴らしい。しかし、エピソード4でレストランの客として登場したぎゃおさんの美人っぷりとの落差がもっと素晴らしい。

エピソード3「謝る女」
 ある家の前をうろうろうろうろと行ったり来たりしている女がひとり。そこへ、家人=桜子(小島美紀)が帰宅する。二人の女の関係は・・・。
 向田邦子の短編小説みたいなお話だったな~。
 
エピソード4「スクランブル・エッグ」
 にこはレストラン「スクランブル・エッグ」でバイト。そこへ千晶と桜子がやってくる。二人は店長(中島信和)の友人なのだ…。

 中島さんがやっと出てきた。
 エピソード1~3の主人公たちが登場。これまでのものがたりを踏まえて、しみじみしんみりとまとめあげる。きっちりとものがたりをつないでたどり着いたところの奥にある想い。そんな想いを日常で絶対に言葉に出したりはしないのだけれど(そして舞台上でも絶対にそんなセリフは吐かないんだけれど)、大切な仲間と、おいしいお料理とお酒を囲んだり、あるいは上質の舞台を並んで観たりして、ただ一緒にいる時間を過ごせるというだけで、その想いは共有できるのだと思う。そしてそれこそがとても幸せなことだ、と思う。

 回想シーンのばかばかしさがまた素敵。ああいう脳内シーンも好き。
 レストランの食事が本当に本当においしそう!
 エピソード2ではわりとちゃんとした人だった工藤さんが、工藤さんっぷりを発揮していたのがうれしかった。

おまけ。最後まできっちりs.eでした。

 全体に共通するテーマは”今ここにいない人に思いを馳せ、今ここで一緒にいられることに感謝する“みたいなことなのかな、と思いました。この想いだけが、今ここでこうして生きていることの確かな理由なもかもしれません。

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