「リチャード三世」
パルコプロデュース「リチャード三世」
日時:2008年12月28日(日)
会場:シアターBRAVA!
シェイクスピア戯曲の中でも抜群に面白い人気ピカレスクロマンを、古田新太が演る!演出は、古田新太を誰より知りつくす、いのうえひでのり!
というわけで、ものすごく楽しみにしていたのですが、うううう・・・。
なんともバランスの悪い、中途半端な舞台でした。
まず、前半のリチャードがあんまり魅力的じゃない。リチャードは冒頭の独白とアンを口説く場面で、すっごくカッコイイ!と思わせないと、その後のお話が全然面白くなく、ただの長ったらしい芝居になってしまうのだ。そもそも、前半セリフに振り回されている感じがする。後半のどんどん壊れていく様子はなんとも心を打つだけに、もったいない。
あと、セリフがディスプレイに映し出されているのはなんなのか?独白をブツブツ喋るのは何なのか?登場人物がものすごく多くて、誰が誰だか分らないのを、ディスプレイに役者の写真を写してくれるのは親切だけれど、映したところで誰が誰だかわかんないことには変わりない。
衣装・戯曲(翻訳)・小道具・演出・役者が見事にばらばらで、ものすごくバランスが悪かった。それぞれはいいんだけど。 リチャードのおかっぱ頭は、残された肖像画に忠実な感じで、60年代風の衣装にもよく似合っていた。
そんな中、バッキンガム公の大森博さんが素晴らしい。ちゃんと笑いの要素を含めながら、リチャードに翻弄されるバッキンガムのバカで哀しいところがよく演じられていた。
それから、久世星佳さん演じるエリザベスが非常にかっこいい。赤い髪、赤い衣装。凛とした強さ。
マーガレットは今まで“くたびれたババア”というイメージがあったのだけれど、銀粉蝶さんはとてもエネルギッシュで、呪いの言葉を吐きまくり。これまたかっこよかった。
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