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「嘘とバッファロー」

あなピグモ捕獲団「嘘とバッファロー」
 日時:2008年7月5日(土)19:30開演
 会場:小劇場楽園

 あなピグモ捕獲団がついに下北沢に進出!

 どこかやなにかを目指していて、だけどなかなかたどり着けなかったりうまくいかなかったり。多かれ少なかれ誰もがそんな想いを抱えている。わかるとかわかんないとかじゃなくて、ただその想いを受け止めたい。

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 ものがたり。

 穴を覗く女。
 周囲に現れるたくさんの人たちは確かに他人。だけど、どこかで出会ったような気もする。遠くに、走り去るバッファローの群れを見送る。
 
 次々と目の前で繰り広げられる意味不明な場面。
 ラリってたり、コンタクトレンズを探したり、中庭で吐いたり・・・あれ?ここは・・・。
 そこは“消したい記憶を選んで消せる”新薬を開発中の研究室。
 うまくいかない治験。だけどあたしだけはこの薬を信じたい。そしてそこには、あたし以外にもこの薬を信じる人たちがいた。

 薬を飲み、バッファローの群れを見送り、嘘を吐く。いろいろ吐く。
 それは消し去りたい記憶。
 飲み込んで、吐き出した嘘は、忘れられない記録。
 そしてそれは、これからまた先へと進んでいくエネルギーとなるガソリン。
 
 信じたい、この薬。なのにぬぐえない不安、焦り、孤独。群れに置いていかれた気分。
 だけど、後ろ正面には支えてくれる人も信じてくれる人も確かにいて、みんなで薬を飲んで、みんなで同じ夢を見る。ぼくらもこうして群れている。

 薬の効き目が切れた頃に夜はあけて、群れのみんなはそれぞれの場所へと帰っていく。
 また一緒に同じ夢を見たい。みられるよ、きっと、どこかで。
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 遠藤さん。わりと堂々とした感じがする方ですが、わけのわからない状態に置かれた不安さやいっぱいいっぱいになって漏れるホンネがちゃんと伝わった。
 ますだようこさん、ゆびを切られて、シュールに歌いながら出てくる場面には爆笑。ああ、今まで長い間彼女の計り知れない力をみくびってました。ホントにすみません。

 次回公演は12月。下北沢・楽園にて。
 またシモキタで会える!楽しみ。

 「演劇は大いなる誤解の上に成り立つ」としても、その誤解で幸福な気分になれるのであれば誤解大いに結構だと思うわけです。少なくとも不幸な気分になるよりは100倍マシ。
 今までもずっとたぶんそうだったのだとは思うのですが、なんだか今回初めてちょっと嬉しかったりしたのです。たとえそれが大いなる誤解だとしても。今まではやっぱり不安だったんだと思う。私が。ホント、いろいろひっくるめてバカなんですけど。
 感謝します。ほんとうに、どうもありがとう。

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