「泥花」
劇団桟敷童子「泥花」
日時:2008年1月12日(土)19:00開演
会場:西鉄ホール
2年前、東京へ観に行ったあなピグモ捕獲団の公演の客席で、西鉄ホールの中村プロデューサーにお会いしました。中村P曰く、「劇団桟敷童子っていうところの芝居がすごくおもしろくてね、どうしても西鉄ホールに呼びたいの。明日もやってるから観に行って!」
ん?劇団桟敷童子って聞いたことあるぞ・・・。そうだ、その日の朝、つけっぱなしのテレビでやっていた「とくダネ!」で、笠井アナウンサーが「昨日桟敷童子の芝居を見にいったんですが、すごくおもしろかったんです」と言っていたんだった!
残念ながら私はその翌日、友人と三鷹の森に行って、その後昼間っから渋谷のビヤホールで飲み、夜は阿佐ヶ谷スパイダースの芝居を観るという充実したスケジュールが待ち受けていたため、桟敷童子を観に行くことが出来ませんでした。中村Pの尽力で(たぶん)、福岡に来てくれて、やっとあのときの芝居を観ることが出来ました。
エレベータを降りると、ロビーにはたくさんの役者さんたちがいて、元気よくご案内をしてくださった。劇団桟敷童子の幟。ああ、ここからもう芝居は始まっている。アングラテント芝居の雰囲気だ。
会場内に入ると、昭和30年代な看板が立ち、たくさんのひまわりが咲き乱れている。
主人公は炭鉱に暮らす3人の姉弟。
母親は病死。炭鉱で落盤事故が起こり、炭鉱主の父親は失踪。
3人は親戚を頼って、別の炭鉱町へ逃げるように。
夏が終わったら、3人は別々に暮らさなければならない。
そんな、最後の夏の物語。
長女・千鶴役の板垣桃子さんがかわいらしく、しんの強い女性を好演。やがて炭鉱を出て都会を目指す次女には、東さんをはじめ田舎を出て行きたいと願うたくさんの人が重なる。
願いをかなえてくれるという泥花を見ようと、生死のはざまへ足を踏み入れようとするハジメちゃんとビンちゃん。そうするうちに最も弱い立場に置かれているものがあっさり死んでしまう展開にはちょっと引いてしまいました。まあ、いつだってそうやって命を落としていくのは最も弱い立場の人間であり、だからこそ闘おう、ということなのかもしれませんが・・・。
あの頃の炭鉱町をほんの少し感じることが出来ました。三池争議のことも、そういえば、かつて腹巻の下に新聞紙をたっぷり巻きつけドスを持って活動に参加したという人の話などを耳にしたことがあったなぁ。政治的なイデオロギーとか、そういうことはおいといて、どんなかたちであれ、自分の信じるもののために、闘い続けましょうというメッセージは、今の時代が忘れかけているものかもしれません。
なんといっても装置がすごい。スペクタクル。 これが観られるだけでもまあいいやという気分になれる。でも、劇場でない小屋だともっと迫力があるらしいですよ。
それから、いろんな記事で“福岡弁”の芝居だと書かれていますが、あれは福岡弁じゃないでしょう。役者によっては関西弁にしか聞こえない人も・・・。
(おまけ)
帰宅してから桟敷童子のことをいろいろ調べていたのですが、私は10年前に新宿梁山泊の「十六夜の月」という芝居で役者・東さんを見ていたことが判明しました。
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コメント
熱いお芝居でしたね。たくさんの人に見て欲しいです。
投稿: teru | 2008/01/13 09:57
はい。昨日は客席の年齢層が高めだったように思ったのですが、若い人にも是非観てもらいたいです。
投稿: SUN CHILD | 2008/01/13 11:31