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2007年9月

「コバルトにいさん」

劇団イナダ組「コバルトにいさん」
 日時:2007年9月22日(土)18:00開演
 会場:イムズホール

 北海道の劇団・イナダ組の初道外公演だそうで。ってことは、東京の人もこの劇団を見たことはないんだね。ふふふ、なんだか優越感。

 舞台上には、天井の低いダンボールハウス。
 開演前、ふと気づくと、薄暗いその中で誰かが物憂げにたばこをくゆらせている。

 ダンボールハウスの主は、通称コバルトさん。コンビニや居酒屋でお弁当やおかずをもらいながら、“アサコちゃん”と仲良く暮らしている。そこになんとなく出入りするネカフェ難民、リストラに遭った?おじさん、コバルトさんを兄だと言い張って追いかけてくるおばさんも、実はバッグレディ。そんなワケアリの人たちが集まる場所に、ある殺人事件を追う刑事が。
 誰かのソウゾウで、誰かの証言で、事件の“真相”が語られるけれど、そのすがたは二転三転して、事実は結局のところ藪の中。

 物語の構成の仕方が見事。何度も騙された。冒頭のシーンに繋がるラストシーンも美しい。
 ただ、全編を通して笑いも多くありながら、根底に流れるものはものすごく暗いなぁと思った。渡辺源四郎商店の芝居もそうだったけれど、なんだかじめじめしたウェットな芝居。福岡の人はこういう芝居は作らないなぁ、とか思ってしまいました。北と南の違いなのかも。
 それぞれの人がそれぞれに抱える事情。確かに現実の世界にどこかに転がっている物語であることは理解できるのだけれど、そういう物語にはあまり心を動かされず。ラストもなんだかすっきりしなくて、私はあまり好きではありませんでした。

 役者さんたちは皆さんお上手でしたが、個人的に気になったのはネカフェ難民な寺田と呼ばれる若者を演じた江田由紀浩さんの素敵な声。バンドのボーカルもされているそうで、なるほど。

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「サッドヴァケイション」

「サッドヴァケイション」
 日時:9月19日(水)
 会場:ユナイテッドシネマ福岡

 北九州市出身の青山真二監督作品。
 オール北九州ロケ。
 映像も登場する人物も、非常に北九州くさい映画。
 福岡とは明らかに違う、北九州くささ。

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「遠州の葬儀屋」

「遠州の葬儀屋」
 日時:2007年9月11日(火)19:30開演
 会場:ぽんプラザホール

 ホールに入ってまず、船内の一室と思しきセットがすごい!照明や音響も、きちんと作ってあって、すごくよかった。プロのお仕事・・・だよね。お金もかかっているのでしょう。

 『相対的浮世絵』も『地獄でございます』も“死”の匂いがする作品だったけれども、これは“葬儀屋”をネタにしたお芝居。

 土田さんが以前どこかで「嘘をつくのが好き」と言っていたような記憶があるのだが、演劇なんてみんなそうだろうけれど、特に土田作品は、嘘の重ね塗りと言うか、「そんなバカな」と言わんばかりの出来事が次々に、しかも当然のように起こる。ええ~?そう来るか、みたいなせりふを、飄々とした役者たちにさらさらと言われると、どんな突拍子もない方向へ物語が展開していこうとも、「あ、そうなんだ」と妙に納得させられてしまう。しかも、葬儀屋さんたちが爆笑する芝居ですからね、一歩間違えば不謹慎ですよ。ただ、それを観客に納得させるためには、たぶんきちんと土田世界に入り込んだうえでせりふを喋る必要があって、それができるかどうか、役者の力が大きく試されると思った。
 初日ということもあってか、場面によってはうまくかみ合っていない場面もあったように思えるけれど、いい役者が揃っているし、楽日に向けて良くなっていってほしいと思いました。
 個人的に、最も土田世界にはまっていたと思えたのは阿部役の坪内守さん。あと、いっちゃった感じの船長・瀬口さんも、頑張っていた。ひとりだけ超年上だった鈴木さんのテンション高い感じもさすがだった。

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