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2007年5月

「はなわのない牛」

タイガージェットフィスト濱崎留衣ひとり芝居
★バカンのクレイジー伝説★「はなわのない牛」
日時:2007年5月26日(土)15:00開演
会場:シアターポケット

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 観劇前日の金曜日のこと。
 職場の同僚が「これを拡大コピーしたいんだけど」と持ってきたのは、高杉晋作が組織した奇兵隊の隊士たちの写真

 彼が写真をコピーしている間、奇兵隊が身分に関係なく“誰でも来い”の寄せ集め軍隊だったとか、高杉晋作が子どもの頃疱瘡をわずらったために痘痕(あばた)面だったという話をしていたのを、私は仕事をしながら聞くともなく聞いていた。

 まさか翌日、高杉晋作が主演の芝居を見ようとは。

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 すごい濃かったです。ふざけたタイトルですが、“バカン”は「いやん、馬鹿ん」じゃなくて、下関は昔「赤馬関」略して「馬関(ばかん)」と呼ばれていたことから。クレイジー伝説は、クレイジーな高杉晋作の一生だから。「はなわのない牛」とは、吉田松陰が高杉晋作を評して、「鼻輪も通さぬ放れ牛(束縛されない人)」と言ったから。芝居の内容そのまんまのタイトルなのでした。
 もちろん、ただ高杉新作の一生を延々と演じるわけではなく、開演後5分で早くも死んでしまった晋作の魂を受け継いだ鉢巻を巻くことで、晋作の愛人と言われるおうのや、平尾山荘に晋作をかくまったことがあるという野村望東尼に晋作が乗り移るという仕掛け。  

 晋作の辞世の句は「おもしろきこともなき世をおもしろく」だとか。まさにこの句を読んだ晋作の心意気を伝えたかった芝居なのだと思う。つねに「おもしろそうなこと」に首を突っ込んで、おもしろくなりそうなことを画策して、29歳でこの世を去った晋作。体制の逆を行き、“あたりまえ”の現実に何とか風穴を開けようとしていた晋作。とにかく膨大な情報量で、濱崎さんはさぞかし大変だったと思います。私の見た回は、隣の建築現場からの騒音あり、照明の調子は今ひとつと、なかなかに厳しい条件ではありましたが、私は十分に楽しみました。

 毎度おなじみの音楽が楽しい。
 幕間には「アニメソングベストテン」。第1位はさすがの私もわかりませんでしたが、あとはもう、あ~!お~!・・・けっこう自分がテレビっ子だったことを再確認。「とんでも戦士 ムテキング」は好きだったなぁ。それよりも、「ニルスの不思議な旅」をフルコーラスで聞けるとは・・・。大好きだったんです、ニルス。少ないお小遣いをはたいて、ムック本やアニメの音声を録音したカセットテープを購入したくらいに(←当時はビデオなんかなかった)
 
高杉晋作(Wikipedia)
野村望東尼(Wikipedia)

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「パッチギ!LOVE&PEACE」

パッチギ!LOVE&PEACE
 日時:2007年5月25日(金)
 会場:ユナイテッドシネマ福岡

 前作「パッチギ!」の6年後、京都から東京へ舞台を移して、アンソンとキョンジャ兄弟のその後を描く。

 とはいえ、キャストは一新。特に連続性もない感じ。
 アンソン役の井坂俊哉さんは、朝ドラ「純情きらり」で桜子の幼馴染・キヨシ君をやってた彼なのですね。そのまっすぐで熱血な感じは本人の持ち味なのでしょう。
 キョンジャ役の中村ゆりさんは、意思のある瞳ときゅっと結んだ唇が印象的。

 前作のオープニング、朝鮮高校生と日本の高校生のケンカはかなりインパクトがありましたが、今回もそれに負けず劣らず、やりすぎな激しい場面からはじまります。
 アンソンとキョンジャの父親のエピソードも盛り込まれますが、ちょっと物足りなかったなぁ。日本への強制連行から逃げたのに、結局どうして日本に来ることになったのかはわからなかったし。ヤップ島の戦闘場面も、まあ仕方ないとはいえやっぱりやりすぎ感は否めず、ラストのケンカも含めて、ありえない印象はむしろ逆効果な気がしました。
 まあでも、ただ「生きてることはそれだけで素晴らしい!」って言いたかったのかな。

 キャストが豪華で盛りだくさん。あの人もこの人も出るわ出るわ。
 藤井隆は日本人でありながら、東北人だったり施設で育った人だったりして、弱い立場におかれているひとで、すんなりとアンソンたちの家族に溶け込み、それによって彼自身がすごくラクになっていく感じがよかった。

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「ソフトバンクvs広島」

プロ野球交流戦「ソフトバンクvs広島」
 日時:2007年5月25日(金)
 会場:福岡Yahoo!Dome

 たなぼたチケットで観戦。
 いや~ホークス打った打った!
 広島ぼろぼろ落とした!
 勝利の花火、久しぶりに見たなぁ(私が行くと勝つことが少ない)
 ストレス解消!な試合でした。

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「月に吠える」

さかな公団「月に吠える」
 日時:2007年5月20日(日)14:00開演
 会場:北九州芸術劇場小劇場

萩原朔太郎の詩集『月に吠える』をモチーフにした短編オムニバス。とあるマンションに住む住民たちを描く。

 小劇場の最高レベルといっても過言じゃないと思う。
 これが”北九州でしか見られない”ということは、誇ってもいいことだと思う。
 や~見られなかった人、残念!

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「お彼岸の魚」

ニットキャップシアター「お彼岸の魚」
 日時:2007年5月18日(金)19:30開演
 会場:ぽんプラザホール

 ニットキャップシアターは初見。
 なんとなく、パフォーマンス系なのかなぁと想像していましたが、会場に入るとそこには団地のリビングが。ん?でもなんかおかしい?あ、ななめになってる・・・(うまく説明できん)。
 京都の劇団ですが、京都といえばMONOとか八時半とか松田正隆さんとかを想像して、ああ、ここもなんとなく京都っぽいかも。

 母親の失踪をきっかけに、10年ぶりに帰郷した娘。
 そもそもその娘が、10年間行方不明だったという。
 隣人、友人をまきこんで、夢か現実か、不思議な世界が展開。

 窓から覗く巨大な大仏の頭は、いなくなった母親なのか?
 それとも私を存在させる、まなざし?
 「私を私にしているのは、実は他者である」ということには、けっこうずきんときた。
そうなんだよなぁ。わかってはいるのだけれど、他人と距離を置いて、自分ひとりで存在しているかのような気分になりがちな私。
 早良美智子もそんな人だったのかな。そして、だから、気付かないままに友人に“ひどいこと”をしてしまったのかな。
 人間は都合の悪いことはいとも簡単に忘れてしまい、記憶を自分に都合よく改ざんしてしまうらしい。平気で嘘をつく(ように見える)人たちも、本人にとっては、それは全く真実なのだろう。
 「誰かの記憶に残ることで、人はいつまでも生き続けることができる」
というようなせりふを、ここ数週間の間に何度も聞いたのだけれど、誰かの記憶に残ることって幸せだよね。

 後半のしっちゃかめっちゃかな演出がけっこう好きだった。あれは簡単には出来ませんよ。
 長沼久美子さん目当てで見に行った所が大きかったのですが、期待通りかわいらしくてパワフルで素敵でした。
 
 個人的に、客入れをなさっていた劇団のプロデューサー=門脇さんが大変印象的でした。その素晴らしい客入れ技術とよく通る声でのご挨拶。受付周りはみんな財団の方だったので、「この人、財団にいたっけ?」と思ってしまいました。舞台にも立っていらっしゃいましたね。

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「春の嵐」

THE ALFEE AUBE 2007「春の嵐」
 日時:2007年5月13日(日)17:00開演
 会場:福岡サンパレス ホテル&ホール

 ひさしぶり!のアルコン(=アルフィーのコンサート)です。
 改めて、私の精神の30パーセントくらいはアルフィーでできていることを確認。

 自転車で行ったので、行きがけには閉鎖されたベイサイドプレイスを通っていく。
 サンパレスの窓から見える博多港は、私が最も愛する福岡の光景だ。85年か86年か87年のツアーパンフに、サンパレスの裏で撮ったアルフィー3人の写真が使われていたというせいで。
 搬入口にはたくさんのファンがたむろしていて、ツアートラックの写真をとったり、友達同士で語り合ったりしていた。ああ、ここからもうコンサートは始まっている。

 「まもなく開演します」のアナウンスが流れ、客入れのSEが大きくなると、客席のみんなが立ち上がり、彼らを迎える拍手が大きくなる。上着を脱いで、タンクトップ一枚になる人もいる。私はこの瞬間が大好きだ。いまだに芝居が始まる瞬間よりも好きかもしれない。

 ”Affection”に始まり”夜明けのLanding Bahn”までたっぷり3時間あまり。
 個人的には”シュプレヒコールに耳を塞いで”から”終わりなきメッセージ”への流れに涙。反射的にこぶしを振り上げてしまう・・・。先日見た『僕たちの好きだった革命』を思い出す。

 昔に比べればゆったりした流れ。ネタもたくさん。
 高見沢さんはあいかわらずぼけぼけで、何をしでかすかわからなくて目が離せない。
 初めてサンパレスに足を運んだ日から20年以上が経つけれど、この想いは変わらない。

 「一生ついていくぞ!」

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「まつさをな」

演劇集団キャラメルボックス「まつさをな」
 日時:2007年5月11日(金)19:00開演
 会場:ももちパレス

 久々に大満足!な芝居でした。
 大笑いしてちょっぴり泣けて、元気をたっぷりもらいました。これこそが劇場に行く醍醐味です。お金払って2時間拘束されて、嫌~な気分で帰って来たくないでしょう。

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「OTO~デシベルジャングルにグラマー美人」

劇団きらら「OTO~デシベルジャングルにグラマー美人」
 日時:2007年5月7日(月)19:00開演
 会場:西鉄ホール

 以前見た公演があわなくて、前回公演はパス。今回も、ノーチェック。平日だし・・・と思っていたけれど、偶然休みだったので、ぎりぎりまで悩んだものの当日券で鑑賞。

 役者・衣装・装置・音響・照明・・・さすがのきららの実力を感じた。
 でも、正直言ってなんだかぐっとくるものというか、響くものがなかったんだよなぁ。なんでだろう?
 ばらまかれたコトバと、役者たちの鍛えられた肉体、よく練られた演出、だけど、それらをつなぐ1本の糸が私にはどうも見えなくて、ばらばらにばらまかれ、風に散っていったまま。どうにかかき集めて箱に入れるまで、しばらく時間がかかりそうです。

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「バベル」

「バベル」
 日時:2007年5月6日(日)
 会場:ユナイテッドシネマ福岡

 お、重い・・・。
 元気なときに観に行ってください。

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「恋の骨折り損」

彩の国シェイクスピア・シリーズ第17弾「恋の骨折り損」
 日時:2007年5月5日(土)13:00開演
 会場:北九州芸術劇場大ホール

 ロンドンのグローブ座が再建されて間もない頃に訪れたことがあります。その日は何かの公演が行われていて、見学も不可。それでもあきらめきれなくて、うろうろしているうちに、偶然開演直前の劇場内に足を踏み入れてしまいました。小雨がぱらつく平土間にぎゅうぎゅう詰の立ち見客。それほど大きくはない舞台。高らかに楽隊のラッパが響き、ドラムが打ち鳴らされ、お客さんたちの拍手で劇場が沸く・・・。さすがにヤバイと思って劇場を飛び出しましたが、あのまま平土間に立ってたら、そのまま芝居を見られたかも。

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 楽隊に率いられての入場、男性俳優のみにて演じられる舞台、下品なやり取り、意味もなくしょーもない歌を歌ったり踊ったり・・・ああ、シェイクスピアの時代の芝居だって、きっとこうだったんだろうなぁ。あの下ネタだらけの応酬は、男性俳優だけだからこそ面白さ倍増。この作品もロンドン・グローブ座で見たい。

 事前にたまたまテレビでやっていた映画版を見ました。映画版はミュージカル仕立て。
小田島訳の戯曲も読んだのですが、読みながら「この掛詞やしょーもないギャグのオンパレードにはさぞかし苦労しただろうなぁ・・・」と思いました。松岡訳は非常に良くこなれていて、耳にも残りやすく、素晴らしい。
 まあ、たいした話の筋があるわけではないので、ただ面白おかしい騙し合いのやり取りや、おバカなギャグの応酬を楽しむお芝居なのだろうと思います。終盤近くの劇中劇?はもう一発芸大会としか思えない。

 開演前に楽隊さんのロビーパフォーマンスあり。開演ぎりぎりまでロビーで聞きほれてしまう。こういうときはたいてい客席を通っての入場なんだよね。

 冒頭、白い樹に緑色の明かりを当てることでふぅっと舞台に生命を宿す感じ。最初から最後までほとんど緑の明かりは当たっているので、樹を緑色で作っておいてもよさそうなものの、これがあるのとないのとでは全く引き込みが違う。
 入退場に客席を多用するのも、お客さんの意識を引き込む役になっていると思う。広い会場で、たいした筋もない芝居を見せるわけだから、随所に演出が凝らされていました。

 沢村一樹と北村一樹の区別がつかない今日この頃。
 この舞台に出ている北村一樹さんは、頭の悪そうな小柄なチンピラやくざのイメージ(ああ、たぶん『タイガー&ドラゴン』のせいです)でしたが、なかなか舞台でも映える方でした。
 フランス王女=姜暢雄さん、でかい!それが狙いだったのでしょう。ちょっと活舌が悪かったのが気になりました。
 その他、若くていい男ばっかりた~っくさん出て来たので、誰が誰やらさっぱりわかりませんでしたが、どの人もみんなうまい。このカンパニーは基本的に寄せ集めなのに、ちゃんと日本が世界に誇るカンパニーになっている。それもやはり演出家の力なのか。

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