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2006年12月

「ロープ」

NODA・MAP「ロープ」
 日時:2006年12月30日(土)14:00開演
 会場:シアターコクーン

 最初から最後まで泣きっぱなし。
 今でも思い出すと涙が溢れてきます。
 2006年の最後にとんでもなく重たいものを野田さんから渡された気分です。

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「チェックポイント黒点島」

燐光群「チェックポイント黒点島」
 日時:2006年12月21日(木)19:00開演
 会場:イムズホール

 社会派とかイデオロギーがどうとか言われる坂手作品。確かにニュースや新聞の論説レベルの社会的知識を要求されますが、この作品は、笑いもありのエンタテイメントです。

 冷戦時、ベルリンで東西ドイツの間に建っていたというチェックポイントチャーリー。
 チェックポイントチャーリーというひとつの「点」を共通項として、時間も空間も次元も異なる短いシーンが連なる。
ひとつひとつのシーン、それもまた「点」
 点と点はいつしかつながって、つながる線が交差して、一つの重層的な世界をかたち作る。

 最終的には、ひととひととのつながり、という本当に基本的なところへと落ち着いていきました。なんだかあんまりにも基本的で拍子抜けしましたが、それでも今のこの世の中を変えてゆくためには、本当にそれしかないのだろうな。

 これ、東京公演はスズナリだったんですね。
 スズナリで観たかったなぁ。

 竹下景子さんが3役をこなす。見ているときに何の違和感もなかったけれど、衣装も早変わりで演じていて、すごかった。竹下さん目当てに見に行った公演でしたが、彼女は本当に魅力的な女性だと思いました。

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「イヌの日」

阿佐ヶ谷スパイダース「イヌの日」
 日時:2006年12月20日(水)19:00開演
 会場:ももちパレス

 「イヌの日」って、腹帯を巻く日ではなくて、英語で”Dog Days”のこと――7月初めから8月中ごろまでの盛夏の頃をこう呼ぶんだそうです。

 これですよ、これ!
 極悪で、極端で、性と暴力に満ちた、狂った世界。なのに、そこに純粋な愛と孤独とひとの弱さを感じて、泣けて仕方ありませんでした。

 ダメなひとは絶対にダメな世界だと思います。
 それでも、平日の夜にももちパレスを満杯にできる魅力が、そこには確実にあるのです。

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「キャトル・トロワ・セゾン」

最新旧型機クロックアップ・サイリックス「キャトル・トロワ・セゾン」
 日時:2006年12月17日(日)18:00開演
 会場:ぽんプラザホール

 めったにしない2回観劇ですが、行ってよかったです。

 ジョン王がいたイングランド
 幻の王国
 とある国々が、あるいは人々が、わがままを言ったり、ぐっとがまんしたり、金にモノを言わせたり、何にもせずにただ甘えていたりする現実の世界

 そんないくつものイメージがくるくると入れ替わりながら、いろんな集団の崩壊と再生と、それに関わるひとの苦悩とあきらめと、そしてあきらめきれなくてまた這い上がる姿が見えたような気がした。
 そこにはまた、ひとつの劇団を解散して新しい劇団を立ち上げた初演時の、そして今また濱崎さんが退団して、新しいスタートを切ろうとするクロサイの姿も見えた。

 凍てついた大地を耕し、種をまく
 米、麦、豆。あるいは何も
 やがて来る秋の実りを待ち続け、春、夏、そして冬
 また凍てついた大地を耕す

 種をまくために耕した大地は墓穴に
 弔いに花の種をまこう
 それは人々の腹を満たさないかもしれない
 けれど、心を満たすことはできるだろう

 culture(文化)という言葉の語源はcultivate(耕す)だとか。
 耕しても耕しても不毛に見えるこの地。
 別の場所を求めてこの地を去る人も多いけれど、私はあの日心を残して去ったこの地に帰って来た。

 春、夏、やがて冬
 まいた種がやがて芽を出し、いつかの秋にきっと豊かな実りをもたらしますように
 私は太陽になる
 凍てついた大地を解かし、春には暖かいぬくもりを、夏には照りつける厳しい暑さをもたらす、太陽になろう
 ただこの場から、見つめ続けることしかできないけれど

 濱崎留衣さんは今後も芝居を続けるとのこと。
 また、どこかで。

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「キャトル・トロワ・セゾン」

最新旧型機クロックアップ・サイリックス「キャトル・トロワ・セゾン」
 日時:2006年12月16日(土)20:00開演
 会場:ぽんプラザホール

 看板女優濱崎留衣さんの退団記念興行。
 1999年、劇団の旗揚げ公演として上演された「時々王」の再演。
 初演は未見。

 劇場に入ってまず、装置がすごい!
 この装置、最後の最後まで驚きの仕掛けが隠されていて、改めてここ数年の兄弟船の仕事のすばらしさに感動。衣装や小道具もよかったし、演出がまたスペクタクル!得意の数押し!?も健在です。 

 役者さん。
 濱崎さんはいつものクロサイの濱崎さん。どちらかといえば、これが地なのかなぁ。個人的には乙女・濱崎がかわいらしくて好き。今回も少しだけ。
 長岡さんは笑わせてくれました。
 そして、大竹くんがものすごく頑張ってました。よく体が動く、いい役者さんですね。
 上瀧くんが新境地。・・・はまってました。

 さて、物語はシェイクスピアの「ジョン王」を下敷きに、4人の王様と2人の従者が繰り広げる世界。
 正直言って、何が何なのかさっぱりわからなかった。
 どうして王様が4人もいるのか?
 どうして3つの季節しかめぐってこないのか。しかも「秋」がめぐってこないのはどうしてなのか。

 終演後、クロサイの前身・針穴写真館時代からいつも一緒に観ている友人とたくさん話をした。
 その中で「たくさんの王様は、今の時代に誰もがわがままな王様になっているということを表しているのではないか」「従者は王様になってもみんなの雑用をなんでも引き受ける、社長や劇団主宰者なのかな」という話が出た。
なるほど。
 そう考えると見えてくるものがたくさんあった。
 というわけで、翌日ふたたび劇場へ出かけるのである。
 つづく。

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「インディゴブルーの本当」

万能グローブ ガラパゴスダイナモス「インディゴブルーの本当」
 日時:2006年12月10日(日)14:00開演
 会場:STAGE MARO

 おもしろかった。
 のですが、ものすごくしっくりこないことが一つ。
 細かいダメだしが多数。
 2月17日(金)~19日(月)に甘とう館で福岡公演があるそうなので、それまでに育ってほしいなぁ・・・。

 (ここからはねたばれを含むのでご注意)

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「ジョバンニの殺意」

非・売れ線系ビーナス「ジョバンニの殺意」
 日時:2006年12月9日(土)19:00開演
 会場:博多南駅前ビル2階多目的スペース

 主宰・田坂さんが当日パンフレットの『ご挨拶』の冒頭「出来上がった作品を眺めたら、なんとまあよくも自分の好きなものばかり並べたもんだとあきれてしまいました」と書いていたけれど、なるほどね、あなぴっぽいオープニング&スライド、ダンス、椎名林檎をはじめとするJ-POP、遊眠社っぽい飛んだりはねたり、ギンギラ太陽‘s、なんとかいうAV女優、そして宮澤賢治。
 今回の芝居、私は好きでした。田坂さんの好きなものが私の好きなものとかぶるというのも一つの理由かもしれませんが、そのがちゃがちゃした中に、ちゃんと彼自身のものの見方や思いが描かれている。消えゆくものへの想い、現代や政治や文化や文学や芝居に対するスタンスなど、彼らしさが見てとれた。

 けれども、がちゃがちゃの混乱の中で、せっかくの「ジョバンニの殺意」が見えにくくなっていて、それを狙っているのかもしれないけれど、最後ははぐらかしつつも、やっぱりそこはきちんと残して欲しいので、残念だなー、というかもったいないなーと思うのです。
 田坂さんはよく芝居の中で愛ゆえに人を殺すけれど、それを描くことは彼のライフワークになるのでしょうね。それは現実世界では絶対に許されないことだけれど、私自身は愛ゆえに人を殺してしまう、という可能性は十分にありうると思っているし、芝居の中だからこそ、許されて成立することもあると思うのね。だから、それが正当化されるだけの理由というか、動機が欲しい。だれもが「ああ、こうなっちゃったら自分も絶対殺すなぁ」とヤバイ共感をしてしまうほどの説得力が欲しい。現実世界では私はたぶん殺さないからなおさらに、この歪んだ愛をちゃんと、人の心を打つ愛の芝居にして見せて欲しい。いつか、かならず。
 宮澤賢治が「小説の中とはいえ、許されることではないから」カットした、というのはいまひとつだなぁ。そもそもなぜ、賢治はそのページを書いてしまったのか。書かずにはいられなかったのか。それはトシへの深い愛と関係あったのかな。私にはわからなかったのだけれど。

 衣装がとっても素敵。
 特にカンパネルラとトシのふわふわスカート、かわいい。中のバニエがもうちょっと見えたら、もっとかわいかったんじゃないかな。

 役者さん。
 女優たちがいい。ジョバンニ:大石さんは男前ですね。トシ:緒方さんもきれい。きれいなおねえさん好きです。シラトリ:樗木くんはよく切れる体してます。なかなかかっこよかったです。
 光安さんがいい仕事してました。ああいう空間に合うなぁ、と思うのは、あなぴ時代を思い出すせいか。

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「極東クロフネファンタジー」

あなピグモ捕獲団「極東クロフネファンタジー」
日時:2006年12月3日(日)14:00開演
会場:pit北/区域

2002年『クロフネ~万物の価値について考えてみる』の改新作。

 浜辺で、やってくるのかどうかわからない黒船を待つ二人の男。黒い正12面体の箱。
 「これはなんだ?」
 覗いた穴から見えるいくつかの場所、いくつかの場面。
 ばらばらな場面はやがて一つに収束されて。
 私も大好きな第三舞台テイストも感じられて、どこか懐かしい。

 それでも、肩に力はいりまくっていたこれまでに比べて、ちょっぴり力を抜いて、ここでこれからもやっていくよ、という気持ちが感じられた。それは、東京という土地に慣れて、ほんの少し余裕が出てきたせいかもしれない。なんだかちょっとぬるさも感じられて、特に女優たちのシーンには退屈してしまった。

 この現実の不安や恐怖から逃れたくて、ソウゾウする。
 自分に都合のいいように、現実を捻じ曲げて、事実を捏造する。
 「クロフネがきたぞ!」来るはずのない、クロフネが。

 だけど、しょせんそんなものでしょう。
 「事実」として語り継がれている歴史だって、his・storyにすぎない。
 ソウゾウから生まれるモノガタリは、いつでもだれかの個人的な想いからつむぎだされ、それでもそれが誰かの心を動かすことだってある。私がこうしておもいを書き連ねている文章だって、私がソウゾウした個人的なモノガタリ。それでもそれは、電子網の海を漂って、見知らぬ誰かの岸辺に届き、誰かの心を動かすことができるかもしれない。
 いっぽうで、演劇という形をとったソウゾウはその時、その場に居合わせたひとたちだけとしか共有できないものではあるけれど、だからこそ私はあの日、あなたに出会えた途方もない偶然を幸福に思う。

 前回に引き続き客演の小沢貴さんが素敵です。なんだか不思議な魅力のあるひと。
 それから、若林史子さんの声とか話し方が、K2T3の小島さんに似てました。

 ソウゾウが垂れ流したうんこみたいなその世界。
 ぱかりと箱が開いて、ファンタジーの世界から目を覚まし、まぶしい光の中でうんと背伸びする。それはファンタジー。だけど確かな現実の世界と裏表。
 だからまた、ソウゾウのゾウに乗って、ここではないどこかへゆこう。
 どこへゆこうとも、わたしはちゃんとついていく。どこまでも。

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