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鴻上尚史演出「トランス」9年ぶりに再演

 立原「当然だと思うのに、礼子、僕は不安でたまらないんだ。自分が何者かわから
    ない不安じゃない。そんな簡単なことじゃないんだ。僕は、自分が何者でもない
    と知ったとたん、不安で不安で堪らないんだ。僕は、不安そのものなんだ」 
 紅谷「雅人・・・」
 立原「僕はどうしたらいいんだ」
 紅谷「大丈夫。私がいるから」
 立原「・・・えっ?」
 紅谷「私がここにいるから」
 立原「・・・」
 紅谷「だから大丈夫」

 (鴻上尚史『トランス』より)

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  「今まで見た芝居で最も好きなものは何ですか?」ときかれたら、間違いなく鴻上尚史「トランス」(初演)を挙げる。でも、実はこれは正確ではない。私は鴻上演出の「トランス」(初演)はビデオでしか観たことがない。それでもやっぱりこれが一番だと言いたいのだ。

 私と芝居との出会いは鴻上尚史がきっかけなのだが(その詳細はまた別の機会に譲るとして)、その頃第三舞台は活動をしていなかった。それで仕方なく第三舞台の役者が出演したり、鴻上さんが演出する作品を見に行っていた。「トランス」はちょうどその頃に上演されたものだ。早速上演会場の某劇場に電話して「チケットはありますか?」と尋ねたところ、「ありません!」という冷たい即答。そこの劇場のお姉さんの対応は冷たい、とその後も何度か行って思ったが、まあ大人気の第三舞台・鴻上尚史がちっちゃな某劇場で公演をするとなればチケットはおそらく即日完売だったであろうわけで、お姉さんは連日の「チケットありますか?」攻撃に疲れ切って怒っていたのだろう。

 この初演は確か鴻上作品の中では最初にビデオ化され、私はそれを見た。
 そして人に薦めまくった。でも、おもしろいと思ってくれる確率は50%だった。
 奥山佳恵・三宅弘城・内野聖陽ver.は、失意の中劇場で見たのだけれど、もっとも泣ける場面で客席に笑いが起こったので驚いた。ああ、演劇って観客とともに作るメディアなのだと実感した。そのときは内野聖陽の参三を松重のコピーだと思ったけれど、内野さんがすごい筋肉質の体を作っていたこと(「ターミネイターおかま」だからね)、爆発する雅人への想いに、すごい役者だと思った。(そして「エリザベート」を観て本当に内野ファンになった)

 今も時々ビデオを見る。脚本も読む。そして泣く。3人の登場人物それぞれに思い入れがある。観るたびにいろんなことを考える。
 
 鴻上尚史自身の演出による「トランス」は9年ぶりとのこと。20代の役者を使った若者バージョンと30代の役者が演るバージョンの連続上演。 
 残念ながら東京公演のみ。たぶん。これ、地方を回るのはちょっと大変だろうなあ。
 でも、観たいなあ。両バージョン観ようと思ったら、楽日近くに行くしかないんだよなあ。行くのかなあ。ああ。

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2バージョン連続上演!!
KOKAMI@network vol.7 「トランス」

 作・演出:鴻上尚史
 出演:
  [TRANS youth version] 高橋一生 すほうれいこ 瀬川 亮
  [TRANS elder version] 松本紀保 みのすけ 猪野 学

 一般前売開始:2005年10月1日(土)(各公演共通)

  [東京公演]
  2005年11月8日(火)~11月27日(日)紀伊國屋ホール
  お問い合せ:
  サードステージ 03-5772-7474
  料金:5,800円(全席指定・税込)  学生席3,800円
  ※学生席はチケットぴあ店舗でのお取り扱いのみとなります(要学生証)

  タイムテーブルなど詳細は http://www.thirdstage.com/ をごらんください。

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 関連して。
今日、「“祖国なき独立戦争”を楽しむために」を購入。まだ全部読んでいないのだけれど、思うところありすぎて、ああもう・・・。鴻上さん大好きだよ、やっぱり。

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コメント

あたし、『トランス』ってずっと Trance だと思ってたんだけど、公式HPにしっかり Trans って書いてありますね。(汗)
trans だけでは標準的な英語では独立した単語になれないのだけど、これ以上は考えないことにします(^^;。
たぶん観ませんが……すいませんテンション低くて。11月は関西遠征したいんで……できれば2回(劇団Φ太陽族とMONO)。

投稿: あれ | 2005/08/19 09:02

いらっしゃいませ>あれさん
『トランス』は初演からずーっと"trans"ですよね。私も英語でお金をもらってますが、ぜんぜん違和感持ちませんでした・・・。
太陽族って、もしかして街中をうろうろするやつですか?それ、観たいなあ。

投稿: SUN CHILD | 2005/08/19 20:10

太陽族の次回公演、会場まっとうに「精華小劇場」となってるから、外には行かれないでしょう、たぶん(^^;。それって、199Q太陽族としての最終公演、『街頭劇 ぼちぼちいこか』のことかしら。三カ所移動しながらの公演でした。三幕目(?)の公演場所が、当時の精華小学校でしたねぇ(遠い目)。
北九州もまだあきらめてません。でもJALのマイルは貯まってません。それよりまず8月9月を乗り切らねばって感じです(^^;。

投稿: あれ | 2005/08/19 21:00

亀レスですんません。
冒頭で三人が、誰視点の物語で語るかを取り合いますよね。三人は、相互に入れ替わりうるみたいです…そのへんが、つまり"trans-"かなと。
あと、サンゾーはtransgenderですよね。

投稿: マヤK | 2005/08/27 13:36

>マヤK さま、コメントありがとうございます。
 後半の展開がね、まさにそうなんですけれども。誰もが誰かを必要とし、また必要とされる存在であるということ。それだけでかろうじて生きていられると思うわけです。ハイ。(なんじゃそりゃ)

投稿: SUN CHILD | 2005/08/28 21:11

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