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なぜ書くのか(2)

 そもそも、このblogを始めたときには公開するつもりはあまりなかった。それをあえて公開しなければいけないなと思ったのは、ひとえに「福岡の演劇を盛んにする」という私の野望の実現に必要であると判断したからだ。
 大学を卒業し、芝居を見るようになった。
 福岡に移り住み、パソコン通信を始めた。
 大好きな芝居のことをネット上で語り合い、大好きな芝居を見るために、東京や大阪まで足を伸ばし、終演後は同じように芝居を愛するみんなで芝居の感想を語りながらおいしいお酒を飲んだ。
 たくさん仲間ができた。楽しかった。
 今でも東京や大阪の劇場へ行けば、客席に一人か二人は知り合いの顔を見つけることができる。芝居が終われば劇場の入り口になんとなく集まって、そのまま居酒屋へ行き、今見た芝居のことや今度ある芝居のことを語り合う。
 90年代後半のパソコン通信は、人と人とをつなぐツールだった。
 「福岡でもこうなればいい。劇場に行けば必ず誰か知り合いに会って、終演後においしいお酒を飲みながら芝居の話がしたい!」それが私の野望であり、私にとっての「演劇の盛んな福岡」だった。
 あれから実に10年の月日が流れたが、残念ながら私の野望はまだ実現されていない。
 私の野望を実現するためには、福岡で観客を育てると同時に、福岡の人を劇場に向かわせる演劇を育てる必要がある。

 私は自分の受け止めたものが表現者の新しい表現につながればなによりもうれしいと思うし、表現者のよりよい表現を育てるのが表現を受け止めるもの=観客の使命だと思っている。よい観客を育てるのは、よい表現。よい表現を育てるのは、よい観客。
 だから私は覚悟を持って書く。
 読んだあなたが表現者ならば、あなたの表現がもっとすばらしいものとなりますように。
 読んだあなたが観客なら、よい表現を育てる一人となり、ついでに終演後に私とおいしいお酒を飲んでくれる人になりますように。
 さらに。
 表現者になれなかった私の「感想」というつたない自己表現が、誰かの「表現」を喚起するものとなるならば、こんなにうれしいことはない。
 まずは読んでくださっているあなた、どうもありがとう。

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雑記」カテゴリの記事

コメント

SUN CHILDさんのレビューにある「愛情」が、どこから出て来たのかがわかりました。
僕は「批評」という言葉を使ってもいいと思っていますが、
(「感想」と言うと低く見られたり、また逆に無責任になったりするので)
どちらにしても作り手と観客双方に、
「こんな所が面白かったのだから、もっとよくなって欲しい」
という愛情を伝えなくてはいけなません。
そんな「愛情」が感じられなければ、不毛な結果を招くばかりです。

投稿: 中尊寺春彦 | 2005/08/05 01:00

ええ話や・・・(マジ)。
観客でも表現者側でもある自分は、ほんっと「舞台バカ」だと思います。
(芝居、だったけどダンスや音楽も増えたのであえて「舞台」)
惚れた弱みよ、どこまでも。
この愛に生きるよ。(マジ)

投稿: tanise | 2005/08/05 11:42

ジーン・・・・(ノ_・、)
うらやましいです。ずっと昔からそういう方だったあなた。おくればせながら私も熱心な「観客」めざしていきたいと思います。
終演後のおつきあいはぜひぜひ!お願いしたく・・・・(^^;;
SUN CHILD’Sさんの観劇予定もUP下さい!

投稿: Ishida | 2005/08/06 00:14

>中尊寺さま、taniseさま、Ishidaさま
 コメントありがとうございます。
 好きなものはすき、ってただそれだけなんですよね~。これからも楽しく観劇したいです。
 では皆様、また劇場で。
 

投稿: SUN CHILD@実家 | 2005/08/07 11:03

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