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2005年2月

「ネバーランド」

ネバーランド
 日時:2005年2月16日(水)
 場所:ワーナーマイカルシネマ福岡ルクル

 ジョニーデップはかっこいい。眉間にしわを寄せた暗くて陰のある役柄がなんと似合うことか。

 「ピーターパン」と言えば、子どもの頃、世界文学全集で読んだ。しかし、どうもヘンな物語だった。特に、ティンカーベルが死にそうになる場面で、拍手だか声援だかを求め、どこからかそれが聞こえる、というくだりはヘンだった。高校を卒業した頃、新宿コマ劇場で、ミュージカルピーターパンを見て、納得した。もともと劇作品だったのですね。「JMバリは劇作家で・・・」という解説の意味がようやく理解できました(おいおい)
 1900年代の初め、初演されたときもフライングはあったのでしょうか。あのフライングは感動的です。特に新宿コマでは、アンコールで客席上を飛んだのですが、もう涙がでるくらい感動します。
 
 そんなわけで、舞台や劇作に思い入れのある人は、舞台制作の裏側をちょっと覗けて感動できると思う。ひとつの作品の裏側にある作家やその家族や制作者や役者や観客や、そのほかたくさんの人たち。それがひとつの舞台に集約され、100年経った今も多くの人に愛される物語となる。
 私はぼろぼろ泣きながら見たのだけれど、おそらくそのことに泣けたのだと思う。

 まあ、アカデミー賞は取れませんでしたね。やっぱり。

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セコンドユニット「月夜ノ砂漠ニ咲キ誇ル醜女」

セコンドユニット「月夜ノ砂漠ニ咲キ誇ル醜女」
 日時:2005年2月13日(日)18:00開演
 会場:NTT夢天神ホール

 うーん・・・。正直言ってよくわからなかった。
 話の作りも甘かったのではないかと思う。

 セコンドユニットの舞台は、活動休止前に2度ほど見ていて、松田さんの描く、ある意味暴力的な世界は、あまり好きなほうではないにもかかわらず、結構楽しめた。今回もかっこいい女性たちがたくさん登場して、カタカナの名前で呼び合い、現実離れした会話で一気に異空間に引き込まれた。
 が、男役者たちにライトが当たると、なんともピリッとしない。老いぼれじじいはかっこよすぎて老いぼれに見えないし、頭悪そうな若者も、今ひとつ。役柄に近づけない役者の力不足なのか、演出の力不足なのか。役者自体は下手ではないと思ったのだけれど。
 
 後半、女性たちとの駆け引きはそれなりにどきどきさせられたけれど、彼女たちがうつ芝居の動機が全くわからなかった。あの若いのをぶっ殺して、何かメリットがあるのか?個人的な恨みってわけでもなさそうだし、儲けにもならないし。

 ちなみに、これをアップするのがものすごく遅くなってしまった第一の理由は、タイトルが難しかったからである。
 この劇団は、劇団で名前が売れているので、「セコンドが公演する」と言えばタイトルとは関係なく観に行くのかもしれないが、わかりやすいタイトルをつけることも重要だと思った。せいさくてきに。

 さらに余談になるが、かつてセコンドの暴力的な舞台で、ものすごく光っていた役者が非常に印象に残っている。権藤昌弘である。彼はギンギラ太陽'Sの岩田屋や飛ぶ劇場での芝居など、コミカルで情けないいいひと役もいいけれど、あの日のような情け容赦のない、冷酷なヒドイ男がまた見たいなー。

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「オペラ座の怪人」

オペラ座の怪人
 日時:2005年2月11日(金)
場所:TOHOシネマズトリアス久山

 「『オペラ座の怪人』映画になりますね!」と言ったら、「ああ、あの怪人の『純愛』」と返ってきた。
 うーん・・・、『純愛』ですか。私は『歪んだ愛』だと思っているのですが。

 ミュージカルにほぼ忠実に、豪華な衣装やセットで作られた映画。
 ファントムがなぜオペラ座の地下に住むことになったかのエピソードは、記憶になかったので、ミュージカル版にはなかったエピソードか? 原作を読むと、もっとファントムの心情が理解できるのかも。
 ある方は「なんとも悲しい話だね」とおっしゃっていた。ファントムは19世紀末という時代が生んだ人物なのだとか、愛されることを知らなかったかわいそうな人物なのだとか。
 個人的にはあまり好きな話ではないので、どうしても衣装やセット等に目が行きがち。ミュージカルを見たときもそうだったけど。

 なんと言っても音楽がいい。役者さんたちの歌もうまい。
 ミュージカルを劇場に観に行くと思えば、お買い得な映画だと思います。

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非・売れ線系ビーナス「世界で一番悲しい唇」

ぽんプラザホール火曜劇場参加作品
非・売れ線系ビーナス第5回公演
「世界で一番悲しい唇」
 日時:2005年2月8日(火)
 会場:ぽんブラザホール

 うわさにはかねがね聞いていたものの、初見。
 おもしろい。
 あれとかこれとかそれとかが大好きなんだなー、というところは見えていて、ともすれば真似だとか言われるけれど、文化とか芸術というものにはやはりある技術(手法と言ってもいいか)みたいなものがあって、オリジナリティなんてその上に成り立てばいいと思うから、特に否定も非難もしない。むしろ、その使い方や芝居のパロディはひねくれていなくて、嫌味な感じがしなくてよかった。それに、その笑いの向こう側にはちゃんと一本筋が通っていたと思う。
 それは、「文化・芸術と行政」ということだと思ったのだけれど、火曜劇場という企画で、この作品をやったという姿勢にも敬意を表する。
 若いよなあ、いい意味で。

 男役者たちがいい。
 田坂くんの野田秀樹、私は似てると思いました。
 是非、彼には野田秀樹の行く手を邪魔してもらいたいです。

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「ROMEO AND JULIET」

「ROMEO AND JULIET」
 日時:2005年2月6日(日) 13:00開演
 会場:北九州芸術劇場大ホール

 激しい。やはり恋愛ともなればこのくらい激しくないと、という最高レベルの激しさを、藤原竜也と鈴木杏が見せてくれた。
 
 藤原竜也は数年前小倉で見た「エレファントマン」ですっかり虜になってしまった。
 芝居ももちろん、ルックスもいいし、笑顔もいいし、声がまた良い。さらに、終演後、劇場を出る彼に遭遇し、出待ちのお客さんに丁寧に挨拶をしていた姿にまた(はーと)。今回も、カーテンコールで何度も何度もステージに登場してくれた。

 ふたりがはじめて出会う舞踏会のシーン、見詰め合った一瞬で恋に落ち、目が離せなくなる、ともすれば「ありえない!」場面なのに、まったくウソ臭さがなかった。非常に納得のいく恋の始まりだった。その後のバルコニーシーンでのとろけっぷりも、「あ~そうなんだよね~。転げまわっちゃうんだよね~。わかるわかる!」

 鈴木杏はやっぱり早いせりふについていけないときがあるものの、集中して高めの声でせりふを言うときはむしろ全くそんなことはなく、彼女のもつ力はすごいと思った。個人的にはお姫様キャラじゃなくて、映画「花とアリス」で見せたボーイッシュな乙女がはまっていたと思うのだけれど、もっともっと違う姿を見せてくれそうで、今後も楽しみ。

 脇の役者さんたちは、このふたりを引き立てるに十分な渋い芝居だった。ジュリエットの父、キャピュレット公は、声がよくてかっこいいなあと思ったら、壌晴彦さんだった。どうりで。

 セット。
 白黒写真の顔・顔・顔。最初はこの舞台の「目撃者」なのかと思っていた。しかしラストシーン、大公のせりふを聞いていたら、その写真が遺影であることを直感した。彼らはもう、この世にはいない。
 終演後、パンフレットで確認したら、やはりあれは「愛に死んでいった若者たち」の肖像なのだそうだ。

 冒頭の序詞から始まって、ほとんどせりふをカットせずに3時間に及ぶ長い芝居だったけれど、ラストシーンを見たときにこの芝居の本質がふっと浮かび上がった気がした。せりふのはしばしに、若い二人がたどる運命を暗示することばがちりばめられていて、無駄なせりふがない。いまさらながらシェイクスピアはすごいと思った。

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福岡県立太宰府高等学校芸術科卒業制作展「成果彩」

第17回福岡県立太宰府高等学校芸術科卒業制作展「成果彩」
 日時:2005年2月5日(土)
 会場:福岡県立美術館

 福岡県立太宰府高等学校芸術科には、美術専攻と書道専攻があり、さらにそれぞれの専攻がデザイン・日本画・油絵・工芸等(美術)、楷書・行書・隷書等(書道)を専門として選択し、制作を行う。

 もう何年もこの卒展を観に行っている。
 最初に見に行ったときは、会場にあふれる若いパワーとか、「表現したい」というエネルギーに圧倒されて涙が出た。

 今年は、圧倒的な個性はあまり感じられなかったものの、一つ一つの作品に、まじめに、丁寧に取り組んだ様子が伺えた。みなそれぞれ基本的な技術をひととおり学んでいるようなのだが、どの作品にも決して手を抜くことなく、一生懸命に取り組んでいることが見てとれた。

 どんなに表現したいことがあっても、その手段を持たなければ表現できない。
 彼らには「表現したい」という気持ちがあり、この3年間でそれを表現する手段を身につけることができたことは、彼らにとって大きな収穫だったし、幸福だったと思う。「個性」を発揮するのはまだまだこれから。この先どんな道に進むとしても、どうかいつまでも「表現したい」気持ちを持ち続け、自分らしい表現を続けていって欲しいと思う。

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