「女教師は二度抱かれた」
シアターコクーン・オンレパートリー2008「女教師は二度抱かれた」
日時:2008年8月13日(水)14:00開演
会場:Bunkamuraシアターコクーン
松尾スズキがコクーンで手掛けた作品「キレイ」「ニンゲン御破算」に続く第3弾。
大竹しのぶ・市川染五郎・市川実和子・浅野和之・・・と多彩なゲストに大人計画の役者を加え、松尾スズキならではの世界が繰り広げられる。
ものがたり。
演劇界の風雲児と呼ばれる、劇団ビリーバーズの演出家・天久六郎(市川染五郎)は、歌舞伎界の異端児と注目されている女形・滝川栗乃介(阿部サダヲ)とタッグを組み、新しい現代歌舞伎を創造しようと、威勢よく狼焔を上げている。が、そんな前途洋々の彼の前に、高校時代の演劇部の顧問だった教師・山岸諒子(大竹しのぶ)が現れる。女優志望だった諒子は、当時教え子であった天久と肉体関係を持ち、それが婚約者(浅野和之)に露見したために、破談・退職に追い込まれ、人生を狂わせていた女だ。(パンフレットより)
いや~松尾スズキ、すごい!
コクーンで、これをやるんだ・・・というか、これはコクーンでやらなければならなかったのだと思う。松尾さんらしい。3時間超の長い芝居でしたが、途中に歌あり踊りあり、ヘンな場面に笑わされ、エッチな場面に前のめりになり、全然長さを感じませんでした。
市川染五郎が最初っから最後までふつー。だいたいそこにいるだけですごいオーラを放つ染ちゃんがふつー。これはある意味すごいことだと思う。オーラって、消したり出したりできるんですね。
阿部サダヲくんや池津祥子さんといった大人計画の役者たちが大活躍するのも嬉しい。
松尾さんのダンスが、歌がすごい。ぐだぐだそうで、実は誰よりもちゃんと歌って踊れる松尾さんが好き。
ラスト近く、私には山岸先生がなんだか天久の母親のように見えました。天久はこんなにもめんどくさい山岸先生をどうしても切り捨てられない。山岸先生は、演劇が好きで、女優になりたくて、だからこそフランス人演出家と関係を持とうとするし、才能ある若者と関係を持とうとするし、とにかくあらゆる手を使って女優のなる夢を叶えようとする。やってることはでたらめだけど、女優として成功したいという想いはたぶん純粋で、その純粋な想いだけが凝縮されて残っちゃってる女だ。
天久は言う。「僕が全部悪いんです」。そして全部自分で引き受けちゃおうとする。
そんなふうに背負わなくってもいいのに、と思う反面、そんなふうに背負ってくれるなら安心して狂えるよなぁと思ったりもして。こんなふうに思ってしまう私が多分一番ダメな人。
この芝居は、松尾さんの、演劇をやるものとしての一種の覚悟なのかもしれないと思えました。
松尾さんはパンフレットでこの作品を「クワイエットルームにようこそ」に続く「女の狂気シリーズ」とおっしゃっていました。確かにそうなんですが、私はこの作品を勝手に「北九州の男シリーズ」と名づけたいと思います。
今回、2階の後ろから2列目で見たのですが、意外に遠さは感じませんでした。コクーンは見やすくて好き。ロビーの感じといい、たぶん日本で一番好きな劇場の一つです。
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