「アンダーグラウンド・サイコ」
劇団Hole Brothers「アンダーグラウンド・サイコ」
日時:2008年4月29日(祝)17:00開演
会場:西鉄ホール
第2回福岡演劇フェスティバルのチャンス枠作品(どういうものが”チャンス枠”なのかは不明)で、劇団Hole Brothersが西鉄ホールに登場。
冒頭では西鉄ホールの広さを感じましたが、芝居が進むにつれてあまり気にならなくなりました。演出や役者さんたちの頑張りの成果でしょう。シンプルなセットのなかで、よくぞここまで。
お話。
工事現場で警備員として働く30歳の男。
ある日彼は、現場で古い高級時計を拾う。ほんの気まぐれから、元探偵という同僚に頼んで、その時計のことを調べてもらうことにした。
ところがそれをきっかけに、彼は何者かに追われることに。
退屈な日常からちょっと夢を見たくて頼んだ時計についての調査から見えたものは、ちっとも楽しい物語ではなく、華やかな時代の影にあった闇の部分。
私はどちらかと言えば現状維持で生きているほうですが、それでもこの芝居にはまるっきり共感できなかったのです。前向き会?で頑張る女の子にも、警備員の男にも、共感できなかった。むしろ、“変われた”ことを喜んで、変われると楽しいよ~と声高に叫んでいるわだちよさんのほうがいくらか健全な気がしました。だからといって人を殺めたり、騙したりして良いわけはないけれど、変わりたい、お金持ちになりたい、もてたい、あるいはラーメン屋になりたい・・・そんな欲を失ってしまったら、やっぱり人生つまんないなぁと思うのです。
お金を払って、日常から抜け出したくて劇場に来るのだとすれば、観客の私は私はやっぱり劇場で夢を見たい。つまんない人生よりも、そのつまんない人生や絶望の中にあるほんのひとかけらの、だけど一瞬、何よりも輝くものを見たい。それは、物語の終わりのその向こうにある”可能性”といってもいいかもしれない。ラストシーン、19歳の若者が語るラーメン屋への夢がその可能性だとして、ところで主人公(大澤くんが主人公だとして)の可能性は?彼は結局このままだらだらと警備員を続けていくような気がする。本当は誰よりもそこから抜け出したいと思っているはずなのに、芝居の中でさえそう叫ぶことができずになんだかあきらめてる。なんだか悲しいなぁ。
時枝役の吉浦彰彦さん(ビッグボディチーム)。身も軽やかで、かっこよい。
20年前のバブル時代と現在の差はよくわからなかった。
衣装でかろうじて差をつけていたけど、そこに時間の流れが感じられなかったなぁ。
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