「イザナギとイザナミ」
劇団千年王國 音楽劇「イザナギとイザナミ」
日時:2008年1月13日(日)14:00開演
会場:ぽんプラザホール
FPAPのLinkプロジェクトの一環、北海道の劇団による福岡公演。
古事記の「イザナギとイザナミ」の物語。なんだけど、ちゃんと現代のおとことおんなの物語だった。
シンプルで、演劇の原点である祝祭性とかも感じられ、おんなの情念みたいなものがめいっぱい表現されているのに、決してどろどろせずにとても美しく、とてもよい舞台だった。音響とか衣装、照明等のスタッフワークも素晴らしかったです。
作・演出の橋口さんのご挨拶のあと、どん、という太鼓の音から芝居が始まる。
真っ暗闇の中で声がする。
やがて点る、ちいさなあかり。
イザナギとイザナミの物語をどんなふうに見せてくれるのだろう、と思ったら、それはとてもシンプルな、現代に通じるおとことおんなの物語だった。
ふたりでひとつだったものが、やがてふたつのふたりとなる。
ふたつのふたりはひとつの楽器を演奏し、おんな神・イザナミはつぶやく。
「ああ、たのしい」
ふたつのふたりは、ひとつになり、イザナミは八百万の神々をうむ。
けれども“ふたつのふたり”は、結局のところふたつの“ひとつのひとり”。やがてすれちがい。からだはひとつになれても、こころはひとつになれない。
こんなにもまっすぐに愛しているのに、愛しすぎる気持ちが、やがて醜い嫉妬や不安という感情をうみ、自らが産んだその醜い感情の炎で身を焦がしておんな神は死んでいく。
「ねえ、あなたはほんとうにいたの? さいしょから、ひとりだったきがする」
そんなせりふが心に残る。
音楽、歌、からだの動き、光と影、どれもシンプルだけれど、そこから紡ぎだされるものはとても豊かで美しい。女のどろどろした情念が存分に溢れるものがたりでありながら、目の前に現れる表現はとても美しかった。さらにそこには演劇の原点である祝祭性のようなものも感じられ、シンプルな、基本の基本をきちんと積み重ねた舞台だった。
ひとりでイザナギとイザナミとその他を演じる榮田佳子さん。めちゃめちゃきれい。表情豊かでとても魅力的。指や足のつま先までぴんと意識が行き渡り、からだの動きもとても美しい。これぞ女優。
傍らでいろんな楽器を演奏する福井岳郎さん。ただそこにいてせりふは一つもないけれど、たしかに「あなた=イザナミ」。どれがなんという楽器なのかはよくわからなかったけれども、どれも神秘的な音色を奏でる。ぽんプラザの残響がいい感じに楽器の音を響かせる。
装置・小道具も、半紙の切り絵細工や、墨でかかれた文字など、簡単なものばかりでありながらこころくばりが行き届いていた。衣装もとてもかわいい。しかも途中でほどけてどんどん変わっていく。背中の開き具合もすごくセクシーで、見ていて本当にどきどきした。
照明も、あかりをあてるだけでなく、そこから生まれる影やシルエットまでもが舞台や役者を引き立てていたと思います。
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