「ジョバンニの殺意」
非・売れ線系ビーナス「ジョバンニの殺意」
日時:2006年12月9日(土)19:00開演
会場:博多南駅前ビル2階多目的スペース
主宰・田坂さんが当日パンフレットの『ご挨拶』の冒頭「出来上がった作品を眺めたら、なんとまあよくも自分の好きなものばかり並べたもんだとあきれてしまいました」と書いていたけれど、なるほどね、あなぴっぽいオープニング&スライド、ダンス、椎名林檎をはじめとするJ-POP、遊眠社っぽい飛んだりはねたり、ギンギラ太陽‘s、なんとかいうAV女優、そして宮澤賢治。
今回の芝居、私は好きでした。田坂さんの好きなものが私の好きなものとかぶるというのも一つの理由かもしれませんが、そのがちゃがちゃした中に、ちゃんと彼自身のものの見方や思いが描かれている。消えゆくものへの想い、現代や政治や文化や文学や芝居に対するスタンスなど、彼らしさが見てとれた。
けれども、がちゃがちゃの混乱の中で、せっかくの「ジョバンニの殺意」が見えにくくなっていて、それを狙っているのかもしれないけれど、最後ははぐらかしつつも、やっぱりそこはきちんと残して欲しいので、残念だなー、というかもったいないなーと思うのです。
田坂さんはよく芝居の中で愛ゆえに人を殺すけれど、それを描くことは彼のライフワークになるのでしょうね。それは現実世界では絶対に許されないことだけれど、私自身は愛ゆえに人を殺してしまう、という可能性は十分にありうると思っているし、芝居の中だからこそ、許されて成立することもあると思うのね。だから、それが正当化されるだけの理由というか、動機が欲しい。だれもが「ああ、こうなっちゃったら自分も絶対殺すなぁ」とヤバイ共感をしてしまうほどの説得力が欲しい。現実世界では私はたぶん殺さないからなおさらに、この歪んだ愛をちゃんと、人の心を打つ愛の芝居にして見せて欲しい。いつか、かならず。
宮澤賢治が「小説の中とはいえ、許されることではないから」カットした、というのはいまひとつだなぁ。そもそもなぜ、賢治はそのページを書いてしまったのか。書かずにはいられなかったのか。それはトシへの深い愛と関係あったのかな。私にはわからなかったのだけれど。
衣装がとっても素敵。
特にカンパネルラとトシのふわふわスカート、かわいい。中のバニエがもうちょっと見えたら、もっとかわいかったんじゃないかな。
役者さん。
女優たちがいい。ジョバンニ:大石さんは男前ですね。トシ:緒方さんもきれい。きれいなおねえさん好きです。シラトリ:樗木くんはよく切れる体してます。なかなかかっこよかったです。
光安さんがいい仕事してました。ああいう空間に合うなぁ、と思うのは、あなぴ時代を思い出すせいか。
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