「極東クロフネファンタジー」
あなピグモ捕獲団「極東クロフネファンタジー」
日時:2006年12月3日(日)14:00開演
会場:pit北/区域
2002年『クロフネ~万物の価値について考えてみる』の改新作。
浜辺で、やってくるのかどうかわからない黒船を待つ二人の男。黒い正12面体の箱。
「これはなんだ?」
覗いた穴から見えるいくつかの場所、いくつかの場面。
ばらばらな場面はやがて一つに収束されて。
私も大好きな第三舞台テイストも感じられて、どこか懐かしい。
それでも、肩に力はいりまくっていたこれまでに比べて、ちょっぴり力を抜いて、ここでこれからもやっていくよ、という気持ちが感じられた。それは、東京という土地に慣れて、ほんの少し余裕が出てきたせいかもしれない。なんだかちょっとぬるさも感じられて、特に女優たちのシーンには退屈してしまった。
この現実の不安や恐怖から逃れたくて、ソウゾウする。
自分に都合のいいように、現実を捻じ曲げて、事実を捏造する。
「クロフネがきたぞ!」来るはずのない、クロフネが。
だけど、しょせんそんなものでしょう。
「事実」として語り継がれている歴史だって、his・storyにすぎない。
ソウゾウから生まれるモノガタリは、いつでもだれかの個人的な想いからつむぎだされ、それでもそれが誰かの心を動かすことだってある。私がこうしておもいを書き連ねている文章だって、私がソウゾウした個人的なモノガタリ。それでもそれは、電子網の海を漂って、見知らぬ誰かの岸辺に届き、誰かの心を動かすことができるかもしれない。
いっぽうで、演劇という形をとったソウゾウはその時、その場に居合わせたひとたちだけとしか共有できないものではあるけれど、だからこそ私はあの日、あなたに出会えた途方もない偶然を幸福に思う。
前回に引き続き客演の小沢貴さんが素敵です。なんだか不思議な魅力のあるひと。
それから、若林史子さんの声とか話し方が、K2T3の小島さんに似てました。
ソウゾウが垂れ流したうんこみたいなその世界。
ぱかりと箱が開いて、ファンタジーの世界から目を覚まし、まぶしい光の中でうんと背伸びする。それはファンタジー。だけど確かな現実の世界と裏表。
だからまた、ソウゾウのゾウに乗って、ここではないどこかへゆこう。
どこへゆこうとも、わたしはちゃんとついていく。どこまでも。
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