Team ARAGOTO「エビ大王」
Team ARAGOTO vol.1 「エビ大王」
日時:2005年12月28日 19:00開演
会場:シアターBRAVA!
“エビ”って“海老”じゃないんだって。
韓国語で「父親」あるいは「怖いもの」をさす言葉で、子どもが悪いことをしたときに「ほら、そんなことだとエビが来るよ」と、子どもを脅すときにも使うような言葉らしい。
脚本が圧倒的に面白い。
「いや、ありえないだろそれ」という強引さもありながら勢いがあるし、いくつかのサブストーリーが絡み合う展開は、オチはある程度わかっているものの最後まで飽きさせない。
徹底した父権社会だったり、ひとつの国を赤派と青派にわけて、やがてその二つの国が争い始めるといった韓国社会への風刺とも取れる話や、途中「リア王」やギリシャ悲劇を思わせる場面があったりもする。
登場する人物の役名はすべて「立場」をあらわす言葉。登場人物は個人ではないのだ。そこもまた、物語を幾重にも解釈可能にしていておもしろい。
この芝居をひとことで言うなら、佐藤アツヒロがパンフレットの中で言っている
「必死に生きるために、人が間違ったことをするという、そこが切ないなと思います」
という言葉だと思う。
エビ大王はどう見ても間違ったことをしている、なのにあそこまで必死なのだ。
それを演じる筧俊夫は、いい意味で筧俊夫らしくない!
なんていうんだろう、男の子が欲しくて村中の女を集めてやりまくる「ケダモノ」なんだけど、今までの「ケダモノ」な筧さんとはぜんぜん違う。筧さん自身は笑いの要素を排除していて、いやらしさみたいなものもなく、とにかく生きて種を残すことだけに必死になる男の悲しさが良く表現されていた。
他の役者さんたちも周りのアンサンブルまで含めてみんないい。
こぐれ修さん。わがまま爺をやらせたら天下一品。この舞台にぴったりはまっている。
サエコさん。「ドラゴン桜」に出てたギャルなんですね。アニメキャラみたいな特徴のある声で、声優さんかと思いました。今回が初舞台とのことだけれど、小柄ながら体もよく動くし、せりふもしゃべれるし、なかなかでした。
佐田真由美さん、男として生きることを決意した末娘の凛とした雰囲気がいい感じ。
伊達暁さん、後半はせりふがなくなってしまう。私はこの人の声が好きなので、声が聞けないなんて残念。
河原雅彦&橋本じゅんのコンビもちょっとお笑いは抑え目で、でも笑わせるところは真面目に!?しっかり笑わせてくれる。河原さんて・・・いいですね。私は、「トランス」以来この人がすっごく嫌いだったのですが、昨年の「走れメルス」もよかったし、嫌いじゃなくなってきました。
佐藤あっくん、もっと見たかったなー。私のイメージでは彼は「バカ大将」なのだが、いや、これはまじめな芝居だから・・・。
アンサンブルの面々もみんな踊れる、動ける、せりふも通る、一人一人がきちんとした芝居をする。ほとんどが無名の役者さんであるにもかかわらず、どの人もどの人も「あれは誰だ?」とかなり気になりました。(で、パンフレットを買ってしまった。読み応えあったけど、高いよ・・・)
でも、すべての役者たちをここまでのレベルにしたのは、座長・筧を中心としたのteamの力だったのではないかと思った。
演出がいかにも岡村俊一らしい。
音楽は基本的に韓流っぽいのだけれど、エビ大王が女の人たちとやりまくるイメージのダンスシーンでは“現代音楽”(by橋本じゅん)を使ったり、じゅんさんが突然美空ひばりと化して「川の流れのように」を歌い上げたり、その傍らで河原さんがテレサ・テンを歌いながらフライングをしたり、つか芝居を思わせる暑苦しくもエンタメ要素もたっぷりな演出。
岡村さん、藤谷美和子とご結婚ですってよ。
いやはや。おめでとうございます。
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