飛ぶ劇場「工場S」
日時:2011年11月23日(祝)14:00開演
会場:門司赤煉瓦プレイス 旧サッポロビール醸造棟
北九州に住んで、初めて見た演劇は飛ぶ劇場の公演だった。会場は門司港にある旧門司税関旧大阪商船ビル(←訂正。すみませんでした)だった。その日、初めて門司港に行った。門司港レトロの再開発は始まっていたけれど、商店街は19時には閉まっていたし、船溜りの周辺は夜になると真っ暗だった。
199号線で小倉から門司港へ行く道は、私のお気に入りで、原付バイクでも行ったし、初めて買った車での初めてのドライブも門司港だった。けれども、その途中、門司駅の裏にサッポロビールの工場があって、しかも大正時代に建てられた赤煉瓦の建物の中でビールが作られていたなんて、今日まで全く知らなかった。私が門司港へ車を走らせていたあの日も、赤煉瓦の工場の中で、ビールが作られていたのである。
かなりくたびれた外観の建物は、なんと7階建てだという。東京駅や横浜の赤レンガ倉庫よりも高いらしい。
開演前に建物内を案内してもらう。11年前に工場が操業を停止してからそのままの内部は、壁がはがれおち、まさに廃墟。人が住まなくなった建物は死んでいくということをしみじみ感じる。しかし、床のタイルの色の鮮やかさや、残されたドイツ製の機械、ほんのりビールの香りが残るタンク、天井のアーチ等々に、往時の技術力や、工場のにぎやかさや、ものづくりへの誇りを感じた。
見学を終えてたどり着いた公演会場は、かつて出来上がったビールを保管するタンクがあったという場所。タンクは工場閉鎖の際に中国かどこかに売られてしまったらしく、がらんとしたほこりっぽい空間に、大小さまざまなパイプが張り巡らされ、なんだかわからないガラクタが残されている。どこまでがセットで、どこまでがそのままなのか、あいまいな空間で、作・演出の泊さんの前説から芝居が始まる…。
まずは、かつてこの工場で、ビールタンクを洗うアルバイトをしたことがあるという泊さんが、かつてこの工場で働いていた方のお話を聞く。そのお話から、かつてここでたくさんの人たちが、誇りを持ってビール作りに携わっていたことがうかがえる。
そこへ、誰かがやってきたようだ…。
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